「私の聖地巡礼だけが本物なの」 はじめに 2017年の春、私は彼女に袖にされた。 心にぽっかりと空いた穴を埋めるべく書店をふらふらと彷徨っていると、中村佑介さんの装丁に目を引かれ、『夜は短し歩けよ乙女』を手に取った。「当分の間、デート代もかからないし本でも買うか」と軽い気持ちでレジへと向かったのだが、後にKZNewsを名乗り、森見主義者として聖地巡礼マスターを目指すことになるとは、この時の私は知る由もなかった。 🏝 『熱帯』は私が聖地巡礼