手触りの柔らかい空間にて。
会場を後にして、火照った心を冷ますように駅を目指して歩く。
冬のそよ風が、今は心地良い。
道中、朝をふり返って少し後悔した。
もっとちゃんと調べといたほうが良かったな…。
Youtubeに上がっていたアメトーークは、それはそれで面白かったけど、もっといい時間の使い方があったように思えた。
会場のエネルギーに共振したのか、心臓の鼓動は高鳴ったままバイトへと向かう。
今日は「noハン会」に参加してきた。
正式名称は「ハンドメイドなnoteオフ会」。
自作の文芸作品やハンドメイド作品を持ち寄って、noteが好きな人たちで交流を深める会。
参加のきっかけは、「noハン会」経験者でミレラボ仲間のぱんさくさんに誘ってもらったことだった。
会場は都会の澱んだ空気との間に隔たりがあって、温もりで満ちていた。
不思議な感覚だった。
はじめましての人だらけだったのに、心が緩んでやたらと弾む。
もちろん初めての場所に参加したときの、会話の糸口を見つけられずに黙してしまうふがいなさはあったけど、それでも、うん。
ぱんさくさんが隣にいてくれたことは心強かった。
予期せぬ事態に震えまくった心をほぐしてくれたことも含めて。
大きな変化を実感したのは、傍観者じゃなくて、参加者として居れたこと。
謎かけ師匠こと100少々あんどぅ〜さんに教えてもらって、ぱんさくさんと挑戦してみた。
その作品がこちら。
「noハン会」と、かけまして、
「田舎の母から送られてきたコロッケ」とときます。
その心はどちらも、
「温もりがある」でしょう。
悪くないな、うん。
ベタ褒めしてくれたあんどぅ〜先生に感謝しないと。
これまでだったら、参加者になることを躊躇っていたと思う。
人がやってるのを見てるだけ。
何か迷惑をかけてしまったり、失敗したときの恥ずかしさから、境界線を跨ぐことが苦手だ。
でも、温もりのおかげで、かけていた鍵を外すことができた。
外へと飛び出した心は、喜びを感じていた。
下北沢に着いたころには、さっきまで青だった空が紫になっていた。
改めて季節が冬であることを感じる。
そして、行き交うたくさんの「派手」を見て思う。
やっぱり僕には下北沢が似合わないな。
教室の隅っこみたいな、高架線下に広がる灰色みたいな、そんな場所が僕は好きだ。