表には出ない感情の数々。
【朴訥(ぼくとつ)】
かざりけがなく話し下手な・こと(さま)。
コトバンクより参照
口下手ゆえ、対話で苦労しがちな自分のことをそんな風に捉えている。
頑張って口にした言葉は、頭の中で巡っていることの氷山の一角なんてことはしょっちゅう。
後からふり返って「これを伝えるべきだったな、あぁ…あれもあったな…」は定番といっても過言ではない。
マシンガントークを繰り広げられる人が羨ましかったりもする。
(テンポが速すぎてめんどくさかったりもする)
昨日、人生で初めて交流会に参加したことを日記に書いたけど、実はその前にも一つ出来事があった。
白金にある「ゆにわ」というカフェで、”ハヤシライス”を食べること。
もともとはミレラボのお茶会で大阪にあるゆにわの存在を知り、そのうち白金にもハヤシライスが絶品のカフェがあることを知って、「これは行かない手はない…ハヤシライス食べたい…!」と前々から予定していた。
ミレラボのグループチャットでも行くことを伝えると、「ミレラボ入ってること伝えるとスタッフの人と打ち解けられるよー」と後押しをもらい、いつもは店員さんと一切話をしない人間としては若干のプレッシャーも感じながら、せっかくの機会だし自分から話しかけてみようと思っていた。
実はこういう時、前々からリサーチして会話のきっかけとなりそうな質問をいくつか用意するタイプの人間だったりする。
それでもいざ行くと、緊張や人の顔色を伺ってしまい、話しかけようか躊躇しているうちに時間が過ぎていく。
そして後悔を抱えて帰路に着くことが多い。
今回もあらかじめネットで、お店の雰囲気とかこだわりとかを予習してから会話のきっかけになりそうなものを出かけた。
さて、今回はどうなるか。
お店に到着して、店員さんが出迎えてくれた。
開口一番という選択肢もあったけど、緊張のため待ったがかかる。
(いつ切り出そうかな…)
店員さんに予約の有無を確認され、してないことを伝えた時の若干の間が気になって、少し怯む。
(席に案内された時にしようかな。)
システマチックな案内で席へと通される。
(案内されたはいいものの、あんまりと目が合わなかったから今はやめておいたほうがいいかも…メニュー持ってきてくれた時にしようかな。)
少し経って、おしぼりとメニューを持ってきてくれた。
(メニュー持ってきてくれたけど、ここでも目合わないし、淡々としてる…。どうしよう、話しかける隙がない…)
「お決まりになりましたらお声がけください」
(行ってしまった…)
ここで一旦、心が折れた。
ハヤシライスは絶品だった。
優しい味でありながら旨味がギュッと詰まっていて、『カレーは飲み物』という表現は誇大広告だと思ってたけど、意識しないとすぐに飲んでしまいそうなくらいスプーンが進んだ。
そしてハヤシライスの美味しさに変な緊張が解けたのか、食器を下げに来てくれたタイミングで味の感想をきっかけに話しかけることができた。
「めちゃくちゃ美味しかったです…!ここって、オープンされてどれくらいたつんですか?」
ぎこちないながらも(店員さんにすごい気を遣わせてしまったと思うけど)、拙いしゃべりに耳を傾けてくれた。
店員さんの気さくさにも甘えながら、自分でもびっくりするくらい会話のラリーを続けることができた。
ゆにわで働きだしたきっかけとか、生き方が変わったコミュニティとの出会いとか、ゆにわが発行しているフリーペーパーを教えてくれたりとか。
感情が表に出て、話が膨らんでいくのが心地よかった。
そして、店員さんのオススメメニューがオムレツサンドなことも判明。
また近々行くことを決意した。
口にはしなかったけどその時は、オムレツサンドを注文することをすでに決めている。