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ホワイトデーには花を贈ろう!花き業界がコロナで受けた影響を分析してみた。

0.はじめに

 新型コロナウイルス感染症の流行で経済活動が抑制され、1次産業が打撃を受けているという話をよく耳にします。花き(かき)業界もその一つです。冠婚葬祭多くのイベントが中止され、お花が売れなくなっています

 このような状況を打開しようと、農林水産省の「花いっぱいプロジェクト」や、花き業界が一丸となって取り組む「フラワーバレンタイン」など、花きの需要を喚起する様々な取り組みが行われています

 この記事では、花き流通の特性や市場取引のデータをから、1)2020年は大まかにどれほど影響を受けたのか、そして2)どうすれば乗り越えられるのか、の2点を見ていきたいと思います。

▽フラワーバレンタインのPRポスター(出典:花の国日本協議会

1.花きの動向を見る際に頭に入れておきたいこと

✓お花は物日(ものび)によく売れる

お花は物日(ものび:祝い事や祭りなどが行われる日)によく売れます。お花屋さんの一年の売り上げの多くは物日で賄われるという話を聞きます。

✓お花の流通 押さえておきたいポイント3つ

(1)市場経由率が高い
 近年下降傾向にありますが、他の青果物(約5割)に比べると高い水準にあります。
(2)店頭販売がほとんど
 対面での販売が基本なので、店頭販売が89%、インターネット販売は2%に留まっています。
(3)個人消費が多い
 個人消費が72%と、比較的多い水準です。単純な比較はできませんが、例えば野菜では、食の外部化を背景に家庭向けが43%、加工・業務向けが57%ととなっています。

2.2020年は全体としてどうだったのか?

✓切り花の取引本数は平年の約90%

✓切り花の取引金額は平年の約86%

2020年の大手7卸社の切り花取引本数と金額を見ると、平年の9割弱程度となっており、あまり影響は大きくないようにも見えてしまいます
ただ、3月、4月、5月、12月など、例年だと取引が活発に行われる月の落ち込みが大きく、生産者やお花屋さんにとっては、稼ぎどきに稼げず、影響は大きいのかもしれません。

3.品目別で詳しく見ると

✓影響を強く受けた品目もあれば、逆に伸びた品目も

 日農平均算出対象15品目をみると、平年対比の取引金額にはばらつきがある。例えば、バラが平年比▼24%となっているのに対して、スターチスは△10%と増加している。
 したがって、前節で述べた通り、影響があまり大きくないのではなく、作っている品目によって影響を強く受けてしまった生産者の方、逆に売り上げが伸びた生産者の方もいるということです。

4.お花屋さんに聞いてみた

 データの解釈を助ける意味で、花を購入するついでに地元(千葉県)のお花屋さん2軒でお話を聞いてみました。

✓家庭向けの需要はむしろ伸びている

 在宅時間が増え、むしろ家庭向けの花の需要は伸びているそう。前節でスターチスの市場取扱高が伸びていたり、カスミソウの影響の程度が比較的小さいのは、家庭人気の高い品目の需要が支えているという見方ができそうです。

✓冠婚葬祭をはじめとする業務用需要はかなり厳しい

 街のお花屋さんは、冠婚葬祭向けのお花も請け負っています。こうしたイベントが減ってしまったことにより、業務用の需要はかなり減っていそうです。

✓インターネット販売が急速に伸びている

 インターネットをはじめとする非対面による販売が伸びているそう。ただ、生花をネット販売する際は輸送の際の時間や温度管理が難しく、注意が必要とのこと。

5.どうやって乗り越えよう

✓需要の見極めと新しい販路の拡大(生産者目線) 

 生産者目線で見ると、1)需要の伸びている品目を見極めて生産を行うこと、2)インターネット販売など新しい販路の展開 が重要ではないでしょうか。

✓サブスクやネット通販も便利(消費者目線) 

 消費者目線では、このコロナで後押しを受けて登場した花のサブスクリプション(定期購入)やインターネット通販も活用して応援しましょう!特に、花のサブスクは私も利用していますが、月千円から、おまかせで送ってくれるプランなどもあり、初めての方にもおすすめです!

6.おわりに

 これまで、花き業界は市場経由率が高く、対面販売が基本でした。共選共販をはじめとする市場機能の利点も大きくありますが、生産者は売る値段を決めることができません。今回このコロナ禍で、インターネット販売を行っていたり、家庭向け人気のある品目にシフトしている生産者の方がうまく生き残っている印象があります。時代の流れをしっかりとつかんでいくことが重要そうです。消費者の私たちにできることは、花をいっぱい買うことです!


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