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すごくいい結婚式に参列させてもらった。

31歳になり周りの友人たちの多くは結婚という、儀式のような必ず通らなければならないような通過儀礼のようにその道を辿る。


まだそこに抗い行きついてない僕は、結婚式というものに多く参加してきたと思う。


その中でも昨日の結婚式はとてもとても素晴らしかった。と僕は思った。


小学校から同じ幼馴染とも、親友とも言える女友達の結婚式だった。

親友などと薄っぺらい言葉は、僕は少し恥ずかしい。

小学校の3年間、中学の2年、3年で同じクラスで親しく。大学時代のアルバイトを紹介してもらい、いわゆる青春時代の大事な際の部分である多くの時間を過ごしてきたと思う。


一言では表現できないくらい多くのことを語らい共有して、たまにぶつかったこともあったと思う。しかし、20年以上関係が切れず過ごしてきたことに感謝と喜びがあると思った。


その中で高校からの同級生であり高校を出てから付き合った彼氏の話はよく聞いていた。


女性から彼氏の話を聞くときは大抵は愚痴が多いものだと思う。(これは偏見でもあるが)


幼馴染は少しサバサバした性格だったため、惚気ることはあまりなく自分が悩んでる時に僕に話すことが多かった。


そうなると、一方の話を聞いた僕は彼氏が悪いんじゃない?別れれば?という意見を述べてしまうことが必ずだった。喧嘩両成敗であるのにも関わらず。


そして、付き合ったり別れたりを繰り返しその度に話を聞いていた。


それが10数年続いたのだ。



自分に情けをかけるつもりではないが、そんな愚痴や喧嘩話、別れ話を聞いていた僕は幼馴染の結婚相手に対していい印象はあまりなかった。

「でも話せば絶対仲良くなれるよ。」

マイナスの印象を与えようと思って話していないことだった。人としてパートナーのことを本当に好きなんだと思った。




そして参加した結婚式。


結婚式が始まり新郎が登場する。


競馬のG1で流れるファンファーレが流れカーテンが開き長渕剛のろくなもんじゃねぇとともに登場してきた。ぴーぴーぴー


愛犬を抱え丸サングラスをかけたその男、新郎はそれはそれはインパクト大だった。少しの違和感とそれよりも堂々とした佇まいに圧倒された。


そして登場する幼馴染、新婦。両親を脇に抱え登場から3人全員が号泣していた。少し笑ってしまいながらも家族の愛が見えた。

人前式と呼ばれ、いわゆるスタンダードである神父が2人に誓いを立てる方式ではなく、参加した全員に認めてもらう形で永遠を誓う方式だった。


その新郎の代表として新郎の妹が出てきた。


「亭主関白の時代は終わりました。これからは家事の負担を減らして、2人で過ごすことを誓えますか?」

この妹さんの言葉が印象的だった。

新郎でおる兄の全てを理解し認めてあえて厳しくも聞こえるが、しかし義理姉のためにしっかりメッセージを残した。

「誓えません!」


会場は少しピリッとしたが、笑いが起こった。

これはまさかの答えである予想の裏切りと、多くの人が新郎の人格をわかっており、新婦側も高校時代の友人が多いためその人たち「この人ならこう答えるよね」というの共感の笑いであった思う。

直後の渋々「誓います」は可愛くお茶目で僕自身笑ってしまった。


人前式終わり、会場も変わり披露宴の席に着いた。


自分の席にある名札の後ろにメッセージが書いてあった。

「恥ずかしいと言われても親友だ。これからもよろしくな相棒!」

薄っぺらいと思っていた親友という言葉も悪くないな、と思った。


新婦のスピーチは新婦の同級生であり僕は大学時代にアルバイトを一緒にした女の友人だった。

「初めて会ったときにダイヤモンドの原石を発見した時のような喜び。」


という言葉がすごくよかった。2人のエピソードも僕が知ってるものが多く、2人が過ごしてきた人生がそれを磨き多くの輝きを放ったんだと思う。


新郎が新婦に送るひまわりの押し花を送るところも良かった。新婦の一番好きな花を仲間たちと一生懸命押し花として作ったことが伝わった。



式も終盤になり、1番驚いたことがあった。


それは結婚式プランナーに感謝し、プレゼントするの場面があった。


プランナーに諸事情があり、通常1人でやるものが2人になったという話だった。


「お金のない俺たちに寄り添ってくれてありがとう」

「中出しするなって言っただろ!」


簡略するとこの二つの言葉に詰まっている。


要するに予算内、様々な要望に齷齪してくれたプランナーさんが、結婚のために途中で変わった。またその変わったもう1人のプランナーさんも懸命に尽くしてくれたことに感謝するということだと予想される。


ぶっきらぼうで直接的すぎるように思われる新郎の表現に、面食らったがそこに人間的な魅力が詰まっていた。


人前式の登場から思っていたが、恥ずかしげもなく自分を曝け出す嘘のない性格こそが新郎の魅力なんだと思った。

コンプライアンス、忖度、人にどう思われるかなどの考えないといけないことをいい意味で考えず、自分はこうだからわかってくれよ?と思わされる潔さに男らしさ憧れそして、好感をもってしまった。

何度も別れと復縁を繰り返した幼馴染の気持ち、だらしなさと魅力。


別れた方が良い。批判ばかりしていた彼に対し話を聞いているだけではわからなかった、この人に惚れた気持ちがわかった結婚式だった。


新郎締めの最後の言葉

「本日は来てくれてありがとう。みんなが仲間です。結婚したら(新婦の名前)の友達もみんな仲間です。そうだよな?中山!」


単純だが僕は自分の名前を呼ばれもう大好きになってしまっていた。俺たちは仲間だ!




すごくいい結婚式に参加させてもらった。ありがとう。



鼻歌を帰って帰路についた。もちろん長渕剛を口ずさみながら。ぴーぴーぴー




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