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雨の日を楽しめたら少しかっこいい①

学校の図書館で借りた本は、だいたい期限内に返却できない。
長靴を履いてやっとの思いでたどり着いたっていうのに、4限目になってもまだ、教室から見る窓の外は雨が降っている。グラウンドに出来る水溜りの数を数え、自然に出来る水の流れを追っていると、4限目のチャイムが鳴る。雨の日の休み時間は暇だ。

昨日のテレビドラマで若手俳優がカッコ良かったという話で盛り上がったり、シール交換したり、隠して持ってきたゲーム機で遊ぶクラスメイトが羨ましく思う。いつも、休み時間が訪れると即、競うようにグラウンドに出ていく僕は、雨の日が退屈だった。その日、どうしようもなく休み時間を持て余していた僕は、図書室に行くことにした。

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