ふつうじゃないが "ふつう"
珈琲について深く知りたくなったのは、徳島に来てから。
東京で暮らしていた時代は、あまり好んで飲むことは無かったです。
ハンドドリップで淹れる珈琲も美味しさを知り、豆の香りや味の違いがわかるようになり、珈琲にハマっていきました。
誰かのために淹れる珈琲は楽しいし、魔法をかけているような気がしています。
徳島は、自家焙煎をしているお店がたくさんあるように感じました。
近頃は焙煎に興味があり、手回しロースターを使いたい気持ちが膨らみ始めているこの頃。
そんな想いもと探っていたら、良い本に出会ったのでご紹介します。
本のタイトルは、「コーヒーはぼくの杖」
15歳で珈琲焙煎を始めた青年である、岩野響くんとその家族のお話。
発達障害という診断を受けた幼い響くんと、ご両親との家族が紡いだ日常の物語。
当たり前にできることができない苦しさや、普通に学校生活を送ることができない彼が、家族と一緒に自分自身と向き合いながら進んでいくストーリーです。
一般的な世の中のモノサシで見たら障害かもしれないけれど、彼らしい生き方があると信じ受け入れて、新たな社会の枠組みを備えてあげる両親の愛。
詰まりそうな彼の世界と、社会をつなぎ生きていくために「誰かの役に立ちたい。」その思いをまずは短な家族のために、暮らしの過程で見つけた響くんの杖。
それが珈琲との出会いでした。
日々起こる物事に寄り添いながら視点を変えて、こんな生き方だってできるんじゃないかって思わせてくれるとっても勇気が湧く本です。
真髄に誠実に自分と向き合っていれば、各々のフレームを自分なりに作ることだってできるのではないでしょうか?
それは事の大小とかではなく、社会がこれだと決めたものだけが全てじゃないてことでもあるような気がします。
社会の常識と思われるところから外れることで、見えてくる世界もあるのだということを改めて感じるホントに良い本です。
響くんが焙煎している珈琲は、ホライズンコーヒーからご注文できるようです。
近いうちに彼の珈琲が飲みたいです。
本にも登場しますが、響くんのご両親の営んでいるリップル洋品店もとてもステキなお洋服屋さんで、こちらも合わせてのぞいてみるのが◎
また一つ新たな出会いに、楽しみが増えた気分になりました。
DADA