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ChatGPTにノリツッコミ漫才を教える話


ノリツッコミとは

会話において笑いを誘う発言をする「ボケ」と一旦調子を合わせておきながら、最後には態度翻してツッコミ」をするということ意味する語。会話中にボケかいなくなる点などがおかしみ含んでいるとされる

https://www.weblio.jp/content/%E3%83%8E%E3%83%AA%E3%83%84%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%9F

ノリツッコミの例(筆者作成)

A(ツッコミ役):「ねえねえ、ちょっと消しゴム忘れたから貸してくれる?」
B(ボケ役)  :「いいよー、はいどうぞ」(ハサミを渡す)

A(ツッコミ役):「ありがとー、この消しゴム持ちやすくて使いやすいわー、でもちょっと紙がボロボロになってくるね」(ちょっと困った顔)
B(ボケ役)  :「え、大丈夫?」(心配しながら見守る)

A(ツッコミ役):「ってこれはハサミやん。消しゴム貸してよー」(ちょっとキレる)
B(ボケ役)  :「あ、ごめんごめん、間違えた。消しゴム、消しゴム、、はいどうぞ。」(鉛筆を渡す)

A(ツッコミ役):「ありがとー、そうそうこれこれ。めっちゃ字が書けるわー」(ワクワクした顔)
B(ボケ役)  :(興味津々で見守る)
A(ツッコミ役):「ってこれは、え・ん・ぴ・つ!俺は字を消したいんや!また書いてどうするねん!はよ消しゴムよこせ!」(キレる)

ChatGPTにノリツッコミを教えるプロンプト


ChatGPTに何も教える前からノリツッコミの基本的知識はあった

ただし、何も教えずノリツッコミを使った漫才作成を依頼すると・・・

A:「ねえねえ、昨日さ、UFOを見たんだよ。」 B:「えっ、マジで?どんな形してたの?」

A:「丸くて、まるでハンバーガーみたいな形だったんだよ。」 B:「ふーん、それってもしかして、宇宙人もハンバーガーが好きなのかな~って、ハンバーガーじゃないやんけ!」

A:「そうなんだよ、宇宙人が降りてきてさ、実は僕らもハンバーガー大好きでね。地球のハンバーガーに恋してきたんだって。」 B:「あはは、それなら宇宙人も一緒にハンバーガー食べに行こうか~って、どういう話やねん!」

A:「でも本当にさ、宇宙人とハンバーガー食べに行って、最後にお会計の時に困っちゃって。」 B:「どうして困っちゃったの?」

A:「だって、宇宙人は地球のお金を持ってないから、お会計の時に宇宙通貨で支払おうとしたんだよ。」 B:「おお、それなら交換所で両替すれば良かったのに~って、そもそも宇宙人とハンバーガー食べに行く話がおかしいやんけ!」

ChatGPT-4作成漫才

全然面白くないし、そもそもノリツッコミの概念を理解しているかも疑わしいです。そこで、ストーリーラインを限定して指示することにしました。

GPT-4との会話

ストーリーを限定すると理解できたようです。ノリツッコミのノリの部分を長くするよう指示をし、GPT-4にいくつか漫才を作ってもらいました。

GPT-4作成ノリツッコミ漫才(1):携帯電話

A:「あ、これから電話しないといけないんだけど、ちょっと携帯貸してくれる?」
B:「いいよ、どうぞ。」(ボケてリモコンを渡す)

A:「ありがと、じゃあさっそく電話してくるね。」(リモコンを耳に当てる振りをする)
A:「おや、音声通話ができないみたいだな。ビデオ通話だけかな?」(リモコンを見ながら言う)

A:「じゃあ、ビデオ通話で頑張るか。」(リモコンを前にかざしてビデオ通話の振りをする)
A:「ん?画面が見えないな。あ、こっち向いてたか。」(リモコンを反対に持ってビデオ通話の振りを続ける)

A:「あ、やっとつながった!おーい、聞こえる?画面見える?」(リモコンで通話相手と話す振りをする)
A:「って、これはリモコンやないかい!(キレる)」

GPT-4

なかなか良いですね。ビデオ通話でリモコンを裏返すあたり、中々のセンスです。素質ありますね!

GPT-4作成ノリツッコミ漫才(2):マグカップ

A:「ちょっとさ、温かいコーヒー飲みたいんだけど、マグカップ貸してくれる?」
B:「いいよ、どうぞ。」(ボケて花瓶を渡す)

A:「ありがと。ちょっと大きいけど、豪華にコーヒータイムだね。」(花瓶にコーヒーを入れる振りをする)
A:「飲むのがちょっと難しいかも。」(花瓶を口に持っていくが、飲めない振りをする)

A:「あ、分かった!ストロー使えばいいんだ。」(ストローを花瓶に挿す)
A:「ん? おかしいな、なかなか飲めない…」(ストローでコーヒーを飲む振りをする)

A:「あ、ようやく飲めた。美味しいコーヒーだ!」(ストローでコーヒーを飲む振りをする)
A:「って、これは花瓶やないかい!(キレる)」

GPT-4

GPT-4作成ノリツッコミ漫才(3):鎮痛剤

A:「おい、ちょっと頭痛いんだけど、鎮痛剤貸してくれる?」
B:「大丈夫?こっち、どうぞ。」(ボケてキャンディーを渡す)

A:「ありがとう。早く飲んで楽になりたいな。」(キャンディーを飲む振りをする)
A:「ん? 味が甘いな。効果あるのかな?」(キャンディーを舌で触る振りをする)

A:「うん、どうやら効いてきたみたい。頭痛も治まってきた。」(安堵の表情をする)
A:「って、これはキャンディーやないかい!(キレる)」

GPT-4

GPT-4作成ノリツッコミ漫才(4):USBメモリ

A:「あ、ちょっとデータ保存したいんだけど、USBメモリ貸してくれる?」
B:「いいよ、これ使って。」(ボケて口笛を渡す)

A:「ありがと。さっそく保存しておこう。」(口笛をパソコンに差し込む振りをする)
A:「おかしいな、デバイスが認識されない…」(パソコンを操作する振りをする)
A:「あっ、コードの接続が悪かったみたいだ。」(口笛をパソコンに差し込む振りをする)
A:「よし、これでデータ保存できた。大事なデータだから助かったよ。」(ほっとした表情をする)

A:「って、これは口笛やないかい!(キレる)」

GPT-4

まあまあの出来ですが、口笛って物じゃない気がします。口笛について理解出来ているのでしょうか。聞いてみました。
結果、GPT-4は間違えを認め、別の物でノリツッコミを提案してきました。

A:「あ、ちょっとデータ保存したいんだけど、USBメモリ貸してくれる?」
B:「いいよ、これ使って。」(ボケて消しゴムを渡す)

A:「ありがと。さっそく保存しておこう。」(消しゴムをパソコンに差し込む振りをする)
A:「おかしいな、デバイスが認識されない…」(パソコンを操作する振りをする)

A:「あっ、ポートに何か挟まってるみたいだ。」(消しゴムでポートの近くを触る振りをする)
A:「よし、これでデータ保存できた。大事なデータだから助かったよ。」(ほっとした表情をする)

A:「って、これは消しゴムやないかい!(キレる)」

GPT-4

考察と今後の展望

ChatGPTに大きなストーリーを指定し、ストーリーのバリエーションを付けるのは出来るようです。
ストーリーのフォーマットを作成し、バリエーションをChatGPTにブレストさせ、その中から選ぶといった使い方をすると小説や脚本作成の助けになりそうです。
鉄板ノリツッコミネタとして物の貸し借りで行いましたが、個人的に好きなのは「ドラえもんのノリツッコミ(というか定番のボケ)」です。特にドラえもんの映画のような長編作品で見られるネタで、例としては、下記のようなパターンです。大変なことが起きているという情報を聞いて、脳で処理されて感情的な反応が出るまでに時間が掛かるというネタ。一旦スルーするやつ。

しずかちゃん「大変よ、大変!!」(慌てた顔)

どらえもんとのび太「なに、どうしたの?」(キョトンとした顔)

しずかちゃん「すぐそこに宇宙人が攻めてきてるの!」

ドラえもんとのび太「へーそうなの」(特に驚かずそのまま何かしてる)

ジャイアン「どうした、のび太?」

のび太「え、しずかちゃんが宇宙人が攻めてきてるって言うんだけど」
ジャイアン「なんだ、宇宙人か」(ピンときてない)
(しばらくの間)
ドラえもん・のび太・ジャイアン一同「ええええーーー!!!大変だ!!」(急に驚く)

この定番ネタをChatGPTに教えるにはどうしたらよいか、次回の課題としたいと思います笑

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