酒の呪縛とシラフの無意味
崇拝する作家『中島らも』は筋金入れのアル中だった。著書「今夜すべてのバーで」は、酒飲み時代のバイブルであり、何度も読み返した。自分で予言した通り、酔っぱらって階段から落ちて、頭を強打して亡くなった。
誠に残念、生きていればまだまだエッセイや小説を書いてくれていたかも知れない。
しかし、彼の著書、エッセイ等はほぼすべて読んだけど、彼はシラフで生きることに苦悩していたことは明白で、それゆえに飲む、酔っぱらう。
らも氏が書いていた。『覚せい剤やめますか?人間やめますか?』のキャッチコピーは大傑作であると。なぜなら、人間を辞めたいから覚せい剤など麻薬に走るのである。
同じことがそのままアルコールにも当てはまる。アルコールも立派な中毒性の薬物だから。
ソバーキュリアンの代表的メリットは3つ、『健康、時間、お金』を得られること。ゆえに、それらを無駄に使いたいから酒を飲むのです。
・健康で長生きなんて冗談じゃない。太く短く酔っぱらって過ごしたい。
・時間と言う呪縛から解放されるために飲むのです。シラフで時間と対峙するには、教養が必要。この辺はらも氏からの受け売りです。
・上記2点に対する対価だから、安いも高いもない。お金があれば合法的に酔えるのだから、安いとさえ言える。
酒を飲む目的をまったく否定しません。私もそうだったから。
でも、酒『だけ』を辞めることで、こんなにも人生の流れが変わるとは、予想出来ませんでした。別世界なんですね、これが。少しでもそろそろ辞めたいなあ、と思っている人は多いと思います。
だって、酒こそが人生への呪縛だと思うんです。