自由に、楽しく、その場の雰囲気と勢いで。

毒ロック

さてさて、HISASHI作詞、TAKURO作曲という組み合わせの楽曲。「BROTHEL CREEPERS」の作詞からTAKURO成分を抜くと、こんな感じのトリッキーな楽曲になるわけで。リリースされた頃は、今はなき8センチシングルと言われる形態で、通常であれば、表題曲1曲、カップリング1曲の2曲と、たまに表題曲のカラオケが入っているのがスタンダードで。でも、この毒ロックがカップリングとして収録されてた「BE WITH YOU」は、カップリングが3曲も収録されているお得感満載のシングルだったわけで。しかも、GLAYはカップリングはちょっとチャレンジングなことをしたり、TAKURO以外のメンバー楽曲が収録されていたりと、表題曲の裏側も結構楽しませてくれたりした。で、この毒ロック以降、JIRO作詞作曲の「ストロベリーシェイク」やTAKURO楽曲がもう1曲収録されているボリュームとバラエティ感いっぱいのシングルなわけ。

まず、タイトルからして、まともじゃない・・・というか、ちょっとネジを1本外して聴いても問題なさそうな雰囲気が満載。取り合わせが真逆という単語同士でもなければ、組み合わせたところで、ロックのイメージが向上するような取り合わせでもない。マイナー調な楽曲をイメージして聴いてみるとメロディは明るめで、まず出鼻を挫かれる。
最大の特徴は、サビっぽい(サビと言って良いのかわからないほど、楽曲がコンパクトでいわゆる1番しかない感じ)とメロディにたどり着くまで、7拍子であるということ。これまでの人生の中で、これほど長い時間、7拍子が続く楽曲は他にあったか。変調するためのつなぎとかで、拍子がかわり、結果7拍子を入れたことが効果的だったとかのレベル感ではないほど、7拍子が続いて行く。クラシック音楽から入ったからか、結構拍子を機にする方だと思うし、リリース当時は、まだクラシックピアノを習っていたために、余計にリズムの取り方には敏感だったから、初めて耳にした時の違和感というか、リズムの取れなさへの居心地が良くない感じにモヤモヤした。
何度も聴いた今となっては、全く気にならないほどに体がそのリズムを憶えているが、普段の生活の中にないリズムを耳にすると、馴染むのに時間がかかる。
でも当時は、そのリズムをに体が自然に反応できるまで、毒ロックだけ何度も聴いた。
(リピード再生で何度ども聴くのだが、この楽曲と次の「ストロベリーシェイク」が繋がったように楽曲をバトンタッチするので、リピートにするとブツッと切れてしまうようになり、それが1番の違和感だったような気がする。)

でも表題曲というある意味でも名刺的な役割をしてるわけではなく、シングルを買った人が、「GLAYってこんな曲もやるんだ〜」くらいに思ってもらったら、それでカップリングの役割はある程度果たされただろうから、結構楽器のアレンジも自由にやりたいようにやっている肩の力が抜けた感じだけど、楽しくて面白そうなことをやっている雰囲気は楽曲から伝わってくる。
2回目のAメロ(って言い方であってるか?)の予測不能なドラムの感じとか、ベースの自由な感じとか。それぞれがレコーディングしたのではなく、好きなようにやろうってな感じで、ブースに全員で一気に入ってジャンってやった結果のように思える(これ、打ち込みだったかな?)。

まぁ、それくらいに力が抜けていて、今までやりたくてもできなかったことをいろいろ盛り込んでみよう感が漂っているところは、今のGLAYに通ずるところがあるな。
なんて言いつつ、全然自由じゃない感じでレコーディングしていたら、読みが甘いと思ってくださいまし。

#GLAY #毒ロック #HISASHI作詞TAKURO作曲 #カップリングの醍醐味


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