季節外れのクリスマスソング。
Time for Christmas
まだまだ底冷えをする日だからこそ、心が温まる楽曲を聴きたい。
季節ではないけれど、雪が降る様な足元から冷える夜には、ほんのりと心に灯りがともったような気持ちになる。クリスマスのシャンシャンとした音は、やっぱり心が弾む。あのシャンシャンに心が躍るのは、なぜなのだろう。そこにちょっとだけ加わるメトロノームの様な音。時計の針が動く音だろうか。でも一定のリズムを刻むという意味では、メトロノームの音だったとしてもそれはそれで味がある。さらに加わる一瞬だけその場を照らす灯りがフッと燈る様な音。クリスマスの持つ幸せを音にすると、こういう音になるだろうなというものが、「ひとつの音」になって、楽曲の世界観に引き込んでくれる。優しく手を引いてもらっている感覚。
優しい音たちは、気持ちをスッと遠くに飛ばしてくれる。ここにある気持ちがドヨンとしている時は、こういう楽曲に乗せて、ここではどこかへ心を飛ばしてみるのが良い。心を動かすことで、感情が動く。感情が動けば、行動が変わる。行動が変わることで、また少しだけ明日に気持ちを向けることができる。その一連の流れの入り口になってくれる曲。
2019年の25周年記念ライブの際に、「悪いGLAY」と題した2日目に、今年の夏のライブで聴きたい曲を調査したアンケート結果の下位3曲を演奏するというなかなかな暴挙に出たGLAY。その時の1曲がこの「Time for Christmas」。楽曲だけで考えたら、そこまで下位である理由は見当たらないが、季節を考えると、クリスマスって結構ピンポイントだし、夏に冬の楽曲を聴くのはどうかという心情も理解できる。そんなファンの投票結果を故真摯に受け止め、真夏の半野外の会場で、「Time for Christmas」をちゃんと演奏するわけで。その時、JIROはサンタ帽を被り、かりそめの雪をJIROの頭上から降らせるというレアな演出付きで。季節のあべこべ感が多少あったとて、今しか見られない演出に、もちろんファンはおいしさをおぼえたことは想像に難くない。
さてさて、GLAYは割とゲストミュージシャンを招いて、一緒にセッションをするのだが、この楽曲ではJUJUさんとコラボ。色気のあるJUJUさんの声は、これまた艶感たっぷりのTERUの声との相性がいいのなんのって。しかも、JUJUさん自身がメインをはらないパートであっても、声の存在感の大きさに驚かされる。クリスマスって子供がプレゼントもらってはしゃぎ回っている姿も想像できれば、恋人たちの甘やかな時間のイメージもされやすい。そんな中でのTERUとJUJUさんが歌うクリスマスって。。。
人の幸せを願い、そしてその幸せによって自分も幸せになっていうと気持ちのままに、日々とそう変わらない時間を過ごす二人の絵が想像できる。その当たり前の幸せの中にちゃんと欲しいものがあるという説得力のある声だ。艶感や色気の先にある本当の幸せに目を向けていたくなる、そんな気持ち。
今年の夏の半野外はどんな感じになるのだろう。