湧き上がる衝動を言葉にしてみる
ROCK ICON
初めて聴いた時の衝撃は、今でもぼんやりと覚えている。
あまりにも言葉がどんどんと流れていってしまうことが話題になり、歌詞が公になる前に、歌詞を耳コピしよう!なんていうラジオ企画もあったほど。
歌詞を覚え、擦れるほどCDを聴いたので、今でこそ歌詞を見ずともあのテンポで歌えることができるが、当時はほぼ何を言っているのか聴き取れなかった。
だからこそ、リスナーの耳コピ内容にお腹を抱えて笑った記憶もある。
ただ、なかなか歌詞は過激だ。
2000年の夏頃といえば、世間の目は、昨年の輝かしい実績をもって、今後はどうするの?という好奇なものだったはず。期待とちょっとした嘲笑混じりの好奇の目。
20代の若者にとって、そのような世間の風当たりや自分たちの置かれている状況を冷静に見極めろというのは到底無理な話。
当時は、彼らにしか理解できない葛藤を抱えていたのではないかと、今だから思えるが、この楽曲を聴いた学生には、想像もできないことだったはずだ。
2000年代前半を最後に、ライブでは聴いていない。どこかのツアーとかでやっているかもしれないが、積極的にセレクトはしない楽曲ではないか。曲調的にはあばれるタイプの曲だが、ガンガン拳を振り上げるのもなんだか気が引けてしまうというか。。。
ただ、その魂の叫びのような楽曲も素直にリリースするところがGLAYの思い切ったところだ。音楽に対しては正直で真摯的だ。
だからこそGLAYというバンドは信用できる。
散々、ライブで聴くことに批判的なことを言ってみたが、今のGLAYはこの楽曲をどう解釈して、どうアウトプットするのか、興味はある。
今更歌詞に翻弄されたりすることはないだろうが、ライブの場でどう演出されるのか。「妄想コレクター」あたりとの並びか。
インタビューで何度も語られているが、これがリリースされる前年には、一度解散の危機を迎え、この年にはJIROがバンド脱退を本気で考えたそう。
この楽曲を聴くと、GLAYの転機にもなるような出来事に考えを巡らせてしまう。
思うところはあるが、何よりも歩みを止めず、今尚、バンドとしてこれ以上ないほど健全に活動してくれていることに、感謝しかない。
久しぶりに聴いたが、しっかり歌えた。体はちゃんと「ROCK ICON」を覚えている。