BPMの上昇と鼓動のスピードの関係性

More than Love

初めて聴いたのはおそらく病床に伏した実家のせんべい布団の中。風邪で学校を休んだ私が暇を持て余しているだろうからと、兄が『Beat out!』をダビング(ひさしぶりにダビングという言葉を発した…)したカセットを貸してくれた。もちろんその1曲目がこの楽曲だ。正直、5曲目のインパクトが強すぎて、1曲目にどんなに感情を抱いたのかは全く憶えていないが、それでも、1曲目で「もういいや」とはならずにそのまま聴き続けたのだから、まだ若干10代前半の子供の心にもちゃんと爪痕を残した楽曲であることは事実だ。

改めて当時のアルバムの音源を聴くと、今は結構BPMが上がっているのだなと思う。今、音源以外で楽曲を耳にするのは、ライブしかないわけだが、ライブでの回数が増えてくると、ベースとなるテンポがあがってくるものなのか。この楽曲に限らず、ロック調の楽曲にはBPMが上がっている楽曲が割と多く、そっちに体が慣れてしまっている為、元の音源テンポでリズムを取ろうとすると多少なりとも違和感感じることがある。
そう思うと、自身の中のでライブの存在は大きいなと実感するし、昔の楽曲でも、「今」演奏されている状態が自然になっていくんだなという、アップデートされていくことへの喜びみたいなものを思わずにはいられない。

さて、ライブの話。結構この楽曲もライブでの登場回数が多いが、「カモーーーーン、TOSHI!」というTERUのハイトーンな呼びかけでTOSHIのドラムから力強く始まるのだが、この「カモーーーーン、TOSHI!」の振りは、「誘惑」でも同じように使われる振りなので、だいたいは、誘惑のイントロを想像するのだが、それが「More than Love」だった時のちょっと不意を突かれた感覚が好きだったりする。いずれの楽曲もサビ始まりなので、一気にドライブがかかるところは同じだが、「More than Love」の方が、サビの中でもノリに緩急があるからこそ、ジャンプが高め。Aメロの「8ビートでjump!」のところは、いかに縦に高く飛べるか、跳べるか、翔べるか…を密かに自身の中で闘っていたりする。座席がある時の着地には注意。畳んだ椅子に足をぶつけたり、狭い自身の陣地に綺麗に着地ができないことも多い。だいたい、jump!でジャンプをしている時のテンションはちょっと異常なので、怪我につながりやすい。「More than Love」は結構序盤での登場シーンが多いので、早々にけがをしないように。

裏を返せばそれだけボルテージがぐっとあがりやすい楽曲なのだ。
これまたアルバム楽曲にも関わらず、ベストアルバムに収録された選抜ナンバーなので、比較的知られたアルバム楽曲の1曲。確かに、当時のGLAYの名詞的な楽曲ではあるかもしれない。
サビとA、Bメロの調子が違うあたりとか、当時のバンドっぽい。

このMVとか初めて観たけれど、やっぱり動き初々しい、映りこまなくては感のようなものがかわいい。今の演奏はBPMは上がっているものの、そこに成熟さと、でも現状維持をよしとしない熱量が加わって、かつ格段に歌声が磨かれ、演奏技術があがっているので、当時の演奏しか知らない状態で今聴いたらきっと腰を抜かす。

27年以上経っても、必ず前回を超える演奏を聴かせてもらえることを「幸せ」と呼ぶのです。

https://www.youtube.com/watch?v=vRaUvKYiXn0


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