100箇所で無料(タダ)のライブをやること??

Hypersonic

GLAYのボーカルは、知れば知るほどに愛おしさが増す人間味に溢れる人だ。
そして、そのボーカルを誰よりも愛し、ボーカルの可能性を誰よりも信じ、ボーカルの新たな可能性を引き出すのが、他でもないメンバーなのだ。そんなメンバーの愛が詰まった楽曲が「Hypersonic」だと思う。

歌詞に出てくる「小橋」はボーカルTERUの姓である。GLAYの楽曲の中には、プロデューサーの姓やサポートメンバーの芸名等がちらっと登場したりする。もちろん、シングル曲ではないが・・・。そういうところも含め、バンドの関係性の良さが伺える。そして、この楽曲については、とにかくTAKUROのTERU愛が爆発した楽曲だと思っている。歌詞の中に、何度「小橋」が出てくることか。そして、歌詞の内容もどれだけ愛に溢れていることか。ちょっと茶化しているように見える歌詞も、たっぷりすぎる愛情の塊にしか思えず、それを高いボーカル力で歌い上げているTERUもまた、他のメンバーのことを信頼・尊敬しているんだろうなという事実が垣間見える。

歌詞はそんな感じで、ちょっとばかり力を抜いているような感じだが、ボーカルにしてみたら、なかなかの高音が求められるのではなかろうか。TERUは苦なく歌っているように聴こえてしまうが、歌ってみたら、TERUの技量含め、その高さに驚くことだろう。TERUがよく「強い喉に産んでくれてありがとう」と父母への感謝の言葉を述べているが、持って生まれたものだけではないはずだ。日々のケアや鍛錬があるからこそ、難しい楽曲のように聴こえない歌い方ができるのではないか。

アリーナクラスの会場でしか聴く機会がなかったが、ホールとかライブハウスとでも、楽しく歌える楽曲として良い仕事をしてくれる楽曲だと思う。こういうタイプの楽曲があると、ライブを心から楽しみたいというアドレナリンを引き出してもらえる。そう、ライブの醍醐味を味わうんだよと言ってもらっている感覚。楽曲の纏う雰囲気は、割とGLAYの王道のように感じられるが、でもそこにちょっとした新鮮さを感じるようなところがあるから、憎いなぁなんて思う。「Hypersonic」もただただ底抜けにポジティブだけではなく、ちょっとしたマンネリから脱却すべきポイントがあって、そのあたりはバンドとして35年戦士だなと思う。間奏のギターのちょっと不思議なメロディから、スッと大サビ手前に引き寄せて行く感じとか、ダラダラ引っ張らずに潔く大サビにメインを渡すあたりの作り方とか、長年バンドの良い意味での余裕を感じる。

小橋の夢、100箇所で無料(タダ)のライブをすること。
小橋の夢はファンの夢でもあります。

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