コンポーザーとしての新境地
外灘SAPPHIRE
TAKURO以外のメンバーがシングルのタイトル楽曲を飾ったG4シリーズの第3弾。しかもデビュー20周年記念、10年ぶりのEXPOのテーマ曲となった「BLEEZE」がタイトル曲となれば、もう、完全にBLEEZEがアニバーサリーの全てを取り仕切ってくれるだろうと信頼してこそのアルバム2曲目がこれなのだろう。今聴くと、楽曲のかっこよいポイントなんかも見えてくるけれど、当時は完全にBLEEZEに全権を託して、自分は亜流に走ったなとTAKUROにはそんな感情を抱いたように記憶している。
ただ、やっぱり世に出すにはそれだけの理由があるのだということを、久しぶりにちゃんと聴いてみて思った。映像としてずっと心にある楽曲でさえも、年月が経てば、その映像も無意識のうちに上書き保存されていたり、同じ映像でも解釈が違ってきたりするのだから、音楽の楽しみ方が変わったり、それこそ自身の心境の変化一つで、如何様にも色を変えて行く。だから、当時抱いた「亜流に走った」という感情も真実だし、今感じるかっこよさも真実。そして、そういう聴き方ができるようになった自分のことも嬉しかったりする。
恥ずかしながら、「外灘」という地名をちゃんと知らなかったし、そもそも読み方もよくわからなかったので、まずは調べるところからスタート。
へぇ、地名だったのかと。そして上海の街で、金融機関が本店を置いたり、各国の金融機関がひしめく都市。そういう場所を楽曲のテーマに据えるというのは、どういう感情だったのだろう。ロスとか、ニューヨークとか、パリ、ロンドン、ローマ・・・とかではない都市の名。日本でいうとどの街に当てはまるだろう。
ちょっとだけ歴史を舐めただけで、この楽曲が歌おうとしている「外灘」のイメージとは合いそうだ。なんというか、ずっと後ろの方で鳴っているギターが、ずっと半音くらいずれているように聴こえる違和感というか、気持ち悪さ(函館の言葉だと、「いずい」という表現?)なのか、しっくりこなくてむずむずする感が続く。夏場に聴いたら、暑さに拍車をかけるようなアプローチ。金融機関がひしめくような街独特の妖しさというか、一筋縄ではいかない畏れのようなものを背後に感じるような音の作り方が、ある意味GLAYでは新鮮。
TERUのボーカルも的確にファルセットを使い、ビブラートのようにサビの最後の音を上下させるように歌い続ける感じも、この楽曲に残る不可解な部分を助長しているように思う。こういう手法は、きっとライブになった時に、想像以上に進化するやつ。今回のTHE GHOSTの世界観に近しいものも感じる。
G4を通して聴くと、「BLEEZE」のあとがこの楽曲。振れ幅がすごい。
でも20周年のタイミングで彼らが外に放とうと思った理由をまた探ってみたいと思わせてもらった。
#GLAY #外灘 =わいたん #G4シリーズ第3弾 #亜流
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