ちょっとした変化を感じ取れるリスナーでありたい

JUNK ART

世に出てからもうすぐ30年になる楽曲のひとつ。実を言うと、この楽曲が収録されている『SPEED POP』というアルバムは、通しで聴いた回数が最も少ないアルバムかもしれない。もともと、自分の中のGLAYの扉を開いてくれたアルバムが、『BEAT out!』だったからこそ、そこから遡る前にどんどん進んでいってしまったからか。いや、でもそうなると『灰とダイヤモンド』が一番通しで聴いた回数が少なくならないと辻褄が合わない。おそらく、自分の中で優先したいアルバムととして、そこまで存在感の大きなものではなかっただけかと思うが。『灰とダイヤモンド』は(もちろんいい意味で)、楽曲の個性とその順もまたよかったりするもんだから、割と「昔GLAYが好きだった」と言う人の中でも、『灰とダイヤモンド』推しの方は結構いるはず。

・・・とは言っても、初めてプロデューサーがついてリリースされたアルバムであり、高校生の頃に書いたとされる「ずっと2人で・・・」(のちにシングルカット)も含まれたアルバムであるから、楽曲としての仕上がりはさすがである。荒削りさだけがよくも悪くも目立つわけではなく、最終曲まで通したアルバムとしてのまとまりにおいても納得というか、頷ける。
そのアルバムのラストから数えて2曲目が「JUNK ART」だ。ライブの定番曲でもなければ、アルバムの中でも割とひっそりしている存在だと自身は感じる。そこまで大きなストーリーがあるというわけでもないので、サビで活用(と私は呼ぶ)もないため、サビの歌詞も同じものが最後まで続く。
そんなちょっと淡々とした楽曲の中で、2回目のサビ(というくくりでよいのかわからないが)で、歌詞は変わらないもののメロディに展開があり、強くリスナーに問いかけるような、訴えかけるようなそんな聴こえ方になる。そこまで、感情が入ったボーカルでなく進んできて、歌詞も繰り返しのように聴こえそうなタイミングで、急にメロディに変化があり、感情のブレが見える。そう、ちょっとしたメロディの変化や歌い方の違いで、聴き手は十分にその変化を受け止めることができる。

ARE YOU JUNK ART?

GLAY公式サブスクリプションアプリ「GLAY」

と問われ、ハッとするようになったのは、この楽曲を聴き始めてどのくらいの時間が過ぎた頃だっただろうか・・・。


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