覚悟と奇跡の日本武道館3days
LAYLA
2006年に「G4」というシリーズでリリースされたシングルの4曲目。もはやシングルという扱いで良いのかも迷うところだが、これを皮切りに、G4シリーズは進化を遂げ、現在まで6作を数えることになった。
GLAYはこのように自ら仕掛け、それを進化させていくことが得意だ。
(EXPOとか、ハイコミツアーとか、LiBカフェとか、Anthologyとか。)
さて、最初に疑問に思うのが、このタイトル「LAYLA」とはどのような意味であるのかということ。同様に「シキナ」という楽曲もあるが、これは、有人の奥様の名前だとインタビューで読んだことがあるが、LAYLAは特定の誰かの名前ではないらしい。
(GLAYアプリがスポンサーとなっているスノボ選手の名前が麗楽ちゃんである共通点に驚きはしましたが。。。)
繰り返しになるが、「LAYLA」がリリースされたのが2006年。
G4の4曲のうち、少なくとも3曲は、前年からこの年にかけてGLAYが直面してきた事実に対して、GLAY自身の覚悟を綴ったもののように感じる。当然、直面していた当時、リアルタイムで状況を理解している訳ではないが、あとあと聞いてみると実は想像をはるかに超えた苦労があったことを知り、この楽曲を改めて聴いて涙した記憶もはっきりと思い起こせる。
彼らはこの時期にGLAYのメンバー以外の多くの人が離れていくことを経験した。
昨日まで一緒に働いていた人が、まさに掌を返したように、背を向けていったという事実を聞いた時には、背筋がスッと寒くなる恐怖すら感じた。
それが一体どういう状態であるのか、想像しただけでも心がかき乱される。
でも、そこに手を差し伸べてくれた人がいて、だからこそ今のGLAYがある。そして、GLAY内で意見が分裂しなかったことも大きいだろう。こういう問題は内部から崩壊していくことが圧倒的に多いだろうが、そこで一層強固になれたことが、GLAYの強さ。土砂降りの雨が、GLAYとしての絆を一層強いものにしてくれた。
乗り越えたからこそ、楽曲に昇華させることができたのだろう。
だからこそ、明るいだけの楽曲ではないが、そこの先に希望がある。
この頃を超えて15年ほどが経つ今聴くと、こんなにも楽しそうにステージに立っているメンバーの笑顔に、涙腺が弱まる。以前は、その辛さへの共感のようなもので涙腺崩壊したが、今は、それを超えて楽しそうにバンド活動をしてくれていることへの感謝もあり、涙腺が弱まる。
それを超えた時の日本武道館3daysは、覚悟と奇跡のステージだ。
見よ、このバンドが放つ圧倒的な熱量を。
GLAYというバンドの底力がこの楽曲には詰まっている。