誰にも奪えないものがある。
CHILDREN IN THE WAR
(※解釈によっては、ネタバレ的要素がありますので、ご注意を。)
2003年、新聞広告に掲げられた衝撃的な言葉。
当時、賛否で言えば圧倒的に「否」が多く、彼を支持していた身であっても心がざわざわしたことを覚えている。
それは、きっと自身の中にある「事なかれ主義」精神そのもの。
思っていても発信しなければ、賛辞はなくとも否定も非難もされない。
でも、TAKURO氏の中に芽生えた感情は、表現者として外に向けずしてどうすべきなのかというもので、そこに関しての覚悟は相当なものだっただろう。
当時、イチ個人の考えとして発表したものだったそうだが、同じバンドというだけで、メンバーに対してのいわれのないバッシングや恫喝、脅しのようなものも少なからずあったという。
そのTAKURO氏の意思を受け止めたメンバーと、なんと言われようとも、感じてしまったことに目を塞ぐのではなく、発信していくことを選択したTAKURO氏。いずれにもぶれない芯の強さを感じる。
新聞広告だけではなく、この楽曲をツアー新曲として盛り込んだ。ライブという楽しくて幸せな空間に、なぜこの楽曲をいれこんでくるのか?という声は、結構あったらしい。そのファンの気持ちはもちろん理解できるし、当時の自分も全く疑問に思わなかったかと問われれば、答えはNOだ。
それから20年が経過した現在。奇しくも同じ「HIGH COMMUNICATIONS」ツアー中。今も終わらぬ争いに対し、彼らは音楽という手段を使い、訴えている。
子を持つ身になると理解できることは多々あるが、この楽曲で訴えかけようとしていることもまさにその一つ。
罪のない子たちから奪うことだけは、誰にも止める権利がある。
だからこそ、今回のツアーでのこの楽曲を耳にした時は、手足の震えが止まらなかった。
この楽曲をツアーのセットリストに組み込んだメンバーの気持ちは、しかと受け止めたい。
この楽曲をライブで聴くことはもうないと思っていたが、そうもできない状況が今尚続いているという事実が辛く、苦しい。