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義母になる人の笹団子を初めて食べる

私は義母の作った笹団子のファンだった。50年以上も前に初めて会ったときご馳走になる。何個でも食べることができた。その日、無口で礼儀知らずの男が、娘の結婚相手として認知された。

新潟出身の義母は手作りの味を受け継いでいた。妻も何かにつけ笹団子を作った。巻かれた笹をむいて食べるまでの流れが粋。我が家で手作りの笹団子を受け継ぐものがいなくなって残念だ。

10月23日の朝日新聞夕刊1面に「ピンチ逆手 笹のない笹団子」の記事が載った。「農家高齢化で笹不足 新潟名物存続へ老舗が一石」。見出しに誘われて笹団子の記事を丹念に読み始めた。

週に一度、お花屋に顔を出す。花と北海道こしあんパンを買って帰る。花は妻、あんパンは自分用。日に一度、義母の腕時計(形見)のねじを巻く。あと何年出来るのか。誰かに聞こうかな。

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