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お昼まで寝ているなんてと愚痴る叔母
64歳で他界した叔母のことを思い出す。高校の卒業式を終えると、その足で叔母の家に行き1週間泊まった。卒業式に来ていた父に外泊のことを報告したが、何を考えていたのか親不孝な話である。
結婚する予定の女性を連れて帰省した。このとき、最初に紹介したのは叔母だった。その後、両親や家族が待ち焦がれていた実家に帰った。会わせる順番が違うと言われればゴメンというしかない。
叔母が、めでたく結婚した私の新居に来た。知り合いの子どもの結婚式に招待されて上京。2DKの狭い部屋に泊まる。翌朝妻が「よく眠れましたか」と聞いたら「なかなか寝れなかった」と苦笑。
孫の顔を見て帰りたいと言った。アパートはすぐ分かった。ドアには手製の表札、インタホンはない。ノックをするとパジャマ姿の孫が出てきた。叔母は二言三言話すと、お小遣いを手渡していた。
叔母は「お昼なのに寝ているなんて」と愚痴る。「ここは東京なんだよ。学生が昼まで寝ていてもおかしくない」と慰める。上野駅へ送って行くと、ありがとうとお小遣いをくれた。かたじけない。