中の人、働く。
まとめ
APD当事者は働くのが難しい、というのが多くの当事者の方々からお聞きしてきました。
私が働いてみて感じたことは、確かに問題はあるのだろうけれどもリスクヘッジを行えば職場によっては問題を回避できるのではないだろうか、ということです。
それでも回避できない問題もありますし、将来を考えたら悲観的になるかもしれないです。
そんな時は結局のところ、気にしないというのが一番の特効薬なのかもしれないです。
略歴
この記事を読んでいただきありがとうございます。
九州APD当事者会の中の人だった人です。
診断は受けていません。
そんな私が働き始めて読者の方々に知見を共有できればと思い、久々に投稿をしようと思った次第です。
APDへの最初の接点は研究テーマ選びでした。
これまでの自分の音に関する経験を振り返って、リサーチしたのがきっかけでした。
紆余曲折あり、今はメーカーで働いています。
この活動は会社バレはしていないと思っています。(そう思いたい。)
4~8月:入社、研修
これまで多くの当事者の方々から、辛く悲しい経験をお聞きしてきました。
自分もおそらく似たような経験をするのだろうな、という予感をしつつ働き始めました。
研修は概ね問題はありませんでした。
基本的には講義資料などは配布されていたので、わからなかったところは後で調べればよかったです。
日常会話や講義自体は聞き取れないということもありつつ、誤魔化していました。
どちらかというと勉強よりもコミュニケーションの方が問題でした。
多分誤魔化しきれなかった気もしますが、そんな時こそ厳しいのが社会人というものなのでしょうか。
違和感などを感じたとしても、直接指摘をしてくれるということはなく、私への評価として反映されていたのだろうと思います。
逆に指摘してくれる人こそ、感謝をしなければならないと強く思ったのが研修でした。
9~12月:配属
ここまで誤魔化してきましたが、次第に支障が出てきます。
指示などが視覚情報として提示されれば良いのですが、音声で込み入った話をされると困ってきました。
それではまずいので、聞きたいことがあるときはメールやそれに類するツールで聞くようにしてみました。
その結果は、コミュニケーションに難がある人という評価でした。
おそらくAPD当事者の方々には共感されるのだろうと思っていますが、話し方が苦手な方がいると思います。
好き嫌いというのではなく、何言っているのかわからない、という状態になりやすい人です。
最終的にこんな状況になりました。
頑張ってメモをする
質問などでその場で認識を固める
抜け漏れやわからないことを、直接聞きに行く
1~3を繰り返してしまう
だんだん萎縮してパフォーマンスが下がってくる
萎縮しながら聞くと素直にわからないと言えなくなる、そんな様子が聞かれる方も嫌になってくる
いろんな人が敵に見えてくる、視線が怖くなってくる
聞いて理解するということがこれまでにないほど、必要になってきました。
その結果、問題が表出してきました。
問題が表出してくると、聞くことが怖くなるし、そのうちだんだん職場にいるのも怖くなってきました。
現在と今後
何となく、自分のことをよくは思っていないだろうな、という人はいます。
怖いところが直接言ってくれないことです。
これが現在です。
中の人は困ったので、これからどうすればいいのか考えました。
その結果が以下です。
申し訳なさそうに質問するのをやめる->堂々と聞く
言える範囲で相談できる人に相談する->溜め込まない
ミスったとしても誰かが助けてくれる、助けてくれなくても誰かが仕事を巻き取らないといけなくなると思うようにする->自分を追い込まない
評価が低くても仕方がない、次頑張ればいいと思うようにする->無駄なプライドは捨てる
徹底的にリスクヘッジを行う->「実際にやってみてからわからないところが出てきたら聞いてもいいですか?」と言っておく、問題が出てきそうなところは調べておく、マズそうなところは周知しておく
ストレスは吐き出しておく->解消法を持っておく
これだけみたら、仕事に対して無責任に見えますね。
ただ、自分が負うことができない責任は溜め込まないでできるだけ早めに共有しておくというのは許されないことでしょうか。
結局は、多少嫌なことがあっても元気に生きていければいいのではないでしょうか。
これが私の今後の目標です。
メッセージ
言いたいことは、心も体も健康であればそれでいいのではないかということです。
重要な仕事が与えられなくても、プライドが多少傷ついても、いろんな人に迷惑をかけても、職場に味方がいなくても、嫌な思いをしたとしても…
滅多なことでは会社はクビにできないでしょうし、環境を変えることもできます。
理想の自分になれなくても、人と比べたとしても今の自分を受け入れることが必要なのかと思います。
たとえ、受け入れることが難しくても…
これまで学生や社会人、リタイアした方々からAPDに関していろいろなお話を聞いてきました。
多分にもれず、中の人も少なからず似たような経験をするに至りました。
これからも全てがうまく行くわけではないという予感がします。
とは言っても、今はネガティブな感情はほとんどありません。
前向きに、自分のできるやり方で努力して、少しずつできることを増やして、それでも道が拓けなければ次のステップに行くということがいいのかなと思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
賛否あると思いますが、忌憚のない意見をコメントでいただければ嬉しいです。
明日も無理せず頑張っていきましょう。