K Seino

美術とロシア語を専門にしています。翻訳のかたわら、せいのちさとと二人で「鳩棲舎(きゅうせいしゃ)」という制作ユニットをやっております。https://twitter.com/kyuseisya_の中の人。翻訳のご相談もどうぞ。

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【翻訳】バフチン「芸術と責任」

ミハイル・バフチンの「芸術と責任」です。一般の方にも理解しやすいよう、できるだけ工夫して訳してみました。 1) カギカッコ内はプーシキンの詩「詩人と群衆」から。内容は、詩人が低俗な群衆に怒りをぶつけるというもの。 2) 原文の「житейская проза」を直訳すると「日常的散文」とでもなろうが、「散文的な(芸術的ならざる)日常」を意味する成語でもある。 [解説など] ミハイル・バフチン(1895-1975)は、ソ連の哲学者・文学者です。ドストエフスキーの作品研究で有

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      露和翻訳はもちろん、翻訳文の校閲、ロシア語文の要約、調査など、まずは以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。折り返しこちらからご連絡して詳しいご要望を伺います。デザイン・イラスト等、美術関係のお問い合わせも是非どうぞ。 翻訳者ディレクトリにも登録しておりますので、こちらからもどうぞ。

      • アンドレーエフってどんな作家?

        この度刊行された同人誌『ゆめみるけんり vol.5』に、私が翻訳したレオニート・アンドレーエフの『ヴァーリャ』という短編が掲載されました。ある日、読書好きな少年ヴァーリャのもとに見知らぬ女性が現れ、彼の日常が大きく揺るがされることになるというお話です。 ただ、このロシアの作家については、日本ではほとんど誰もご存知ないだろうと思いますので、簡単にご紹介したいと思います。 レオニート・アンドレーエフは、有名なドストエフスキーやトルストイよりおおよそ40~50歳若く(1871-

        • 【翻訳】バラティンスキー(4)

          ロシアの詩人、エヴゲーニー・バラティンスキーの詩の翻訳です。 4回目の今回は、「詩」そのものを詠んだ作品。 病める心を詩(うた)は癒やす。 神秘的な調和の力は―― 重大な過ちを贖い、 そして荒れ狂う激情をなだめる。 響きよく奏でられた歌人(うたびと)の魂は―― あらゆる悲しみから解き放たれ、 聖なる詩歌は、触れる者に 清らかさと平和とを与える。 [解説など] バラティンスキーは、詩、ひいては芸術が何のためにあるのかを思索し、それをテーマに作品を多く書いたという点で、当時と

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        【翻訳】バフチン「芸術と責任」

          【翻訳】バラティンスキー(3)

          詩の翻訳です。ロシア文学で「金の時代」と言われる19世紀前半を代表する詩人、エヴゲーニー・バラティンスキーの3回目。 囚われ人が自由を望んだところで何になろう? 見よ、川の水は不平もなく 定められた岸辺を、自らの河床に沿って流れ、 荘厳なるトウヒは、移動の術もなく、 育った場所に立ちつくし、天の星も、―― 未知の力に引かれ所定の道を行くではないか。 さまよえる風とて自由はなく、 その飛翔する呼気にも法則がある。 我らとて、自らの定めに従い、 反抗の夢を捨てるか、忘れるかする

          【翻訳】バラティンスキー(3)

          本格的なボルシチの作り方!

          本格的なボルシチのレシピは、日本語だとなかなか見つかりません。あまりおいしくできなかったという話もよく聞きます。そこで、本場ロシアの料理番組から作り方を紹介します。特段料理が得意なわけではない私が作っても、スプーンを口に運んだ妻曰く、「レストランで食べるよりもおいしい!」どうぞお試しあれ。 番組の名前は「イェダー・チャンネル」の「ラゼルソンの原則」。いや、「ラゼルソンのコツ」と訳した方が響きがやわらかくていいかな。教えてくれるのは、五つ星レストランに勤めていた経験もあるシェ

          本格的なボルシチの作り方!

          【翻訳】バラティンスキー(2)

          詩の翻訳です。「ロシア文学において、最も輝かしく、それでいて謎多き、未だ評価の不十分な人物の一人」、エヴゲーニー・バラティンスキーの作品。 楽しんでください、すべては過ぎ行くのですから! 我々に対し時に優しく、時に厳しく 運命は、気まぐれに 喜びと、苦しみとをもたらします。 その長い厚遇はあり得ません 不確かな幸せの時々を 急いで掴んでください。 嘆かないでください、すべては過ぎ行くのですから 我々に突然 幸福をもたらすのが 過酷な不幸だったりすることも 間々あることです

          【翻訳】バラティンスキー(2)

          作家セルゲイ・ドヴラートフの伝記映画

          雑貨屋Mitteさんからのお誘いで、6月20日から公開される映画『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』のクロスレビューに参加させていただくことになり、一足先に本作を鑑賞しました。一応ロシア語の翻訳者なので、耳でロシア語の台詞を、目で日本語の字幕をたどっていたら、どちらも頭に入ってこないという混乱状態に陥りました(この見方、お勧めしません)。 この作品は、実在のロシア語作家、セルゲイ・ドヴラートフ(1941~1990)の伝記映画で、70年代に彼がレニングラードで過ごした数

          作家セルゲイ・ドヴラートフの伝記映画

          【翻訳】バラティンスキー(1)

          今、気になっているロシアの詩人、エヴゲーニー・バラティンスキー(Евгений Боратынский、「Баратынский」とも)の詩を翻訳しました。ウィキペディアのロシア語版には「ロシア文学において、最も輝かしく、それでいて謎多き、未だ評価の不十分な人物の一人」と紹介されています。 私の才は乏しく、声も大きくはない、 だが私は生きており、私の存在も この地上の誰かにとっては愛しいのだ。 はるか後の人々は、詩の中に 私のことを見出してくれるだろう。 誰が知ろう、私の心

          【翻訳】バラティンスキー(1)

          うちゅうじんが私を紹介してくれました。

          さる方から勧められ、noteのアカウントを作りました。初回の投稿は、やはり自己紹介が適当かと思ったのですが、何を書いたらよいかわからず迷っていたところ、友達のうちゅうじんが紹介文を寄せてくれました。以下、転載します。 Kハ、ワレワレうちゅうじんト仲ノヨイちきゅうじんデス。 Kノ普段ノ仕事ハ「産業翻訳」トカ、「実務翻訳」トカイワレルモノデス。コレハ、要スルニ、「文学作品」ヲ除ク他ノアリトアラユル文書ヲ翻訳スルコトデス。シカシ、Kハ、文学ヲコヨナク愛スルちきゅうじんナノデ、コ

          うちゅうじんが私を紹介してくれました。