【翻訳】バラティンスキー(3)
詩の翻訳です。ロシア文学で「金の時代」と言われる19世紀前半を代表する詩人、エヴゲーニー・バラティンスキーの3回目。
囚われ人が自由を望んだところで何になろう?
見よ、川の水は不平もなく
定められた岸辺を、自らの河床に沿って流れ、
荘厳なるトウヒは、移動の術もなく、
育った場所に立ちつくし、天の星も、――
未知の力に引かれ所定の道を行くではないか。
さまよえる風とて自由はなく、
その飛翔する呼気にも法則がある。
我らとて、自らの定めに従い、
反抗の夢を捨てるか、忘れるかする