2024年の目標は「展示をやらない」だった
2024年の目標は、展示をやらないことだった。2024年3月を最後にバーイベントもやらないようにしていた。
きゅんくんは、制作や展示をするとテンションが上がりすぎてしまう。
テンションが上がらないと制作をするのは難しいのは多くの人がそうだと思うのだが、きゅんくんはテンションが人より上がりすぎてしまって、時間の使い方やお金の使い方がめちゃくちゃになってしまう。全てを気にせず、制作のために時間やお金を使いすぎてしまう。しかもそれに危機感がないので、どんどん落ちていく。
展示をするたびにめちゃくちゃになるので、展示をした後はめちゃくちゃさを平穏に持っていく時間が必要だ。テンションが上がった後は反動でテンションが下がってしまうし、時間やお金を通常モードに戻す必要がある。
2023年は7月に福岡でグループ展「はたらくくるまがすきなひとたち展」をやったし、12月に早稲田で個展「こーうんりゅーすい」をやった。展示に合わせて新作を作ったので、ウェアラブルロボットの新作を2016年以降作れていなかったきゅんくんとしてはとても良い機会で、リスタートのきっかけになった。しかし、まあ予想通りめちゃくちゃになって、少々疲れてしまった。めちゃくちゃをなんとかしたいと思った。
展示をしたい、と思ったら、もう止められなくて制作をして展示をしてしまう。しかしそれではまためちゃくちゃになってしまう。そこで、2024年の目標を「展示をしない」にした。友人たちにも「きゅんが展示をしようとしたらなんとかして止めてくれ」と伝えた。
2024年は、なんとか平穏な生活を取り戻すことに努めた。きゅんは何も頑張れてない……と凹むこともあったが、平穏な生活を得ることを頑張っているのだ、と心を保った。
2024年3月のバーイベントが自分が思い描いていたようにできなかったこともあって、まずはリアルイベントをやるよりも、ちゃんとインターネットでのアウトプットを頑張る必要がある、とも思った。
「きゅんくんという活動体」を一回腰を据えてきちんと作り上げる時間でもあったのだと思う。
「展示をしない、イベントをしない」と言う制約を自分に設けると、自分がどう活動したいのか、どう制作したいのかが見えてきた。そのうちに、バラバラに見えていた音楽やAIなどのロボット以外の制作が、全て一つの軸に集結し、何が自分のテーマだったのかが見えてきた。ベースの生活をきちんと作って考えたり作業する時間を作れたことが良かったのだと思う。
「きゅんくん」はわりと生きている。悩むし、上手くいかないし、変化するし、生活する。それを隠す必要はなくて、それも含めてきゅんくんを見てくれている人たち(ウォッチャー)に楽しんでもらうコンテンツなんだと思う。
ウォッチャーには「きゅんくんが今どうあるか、どう考えているか」をきちんと伝えたいと思っている。でもインターネットで素直になるのは難しいし苦手だ。そこで、ZINEという形で2024年のこと、考えていることを伝えさせてもらうことにした。結構素直に正直に書いたつもりだ。
今回は全て書き下ろしでZINEを制作した。「きゅんくんの現在地」としてこのZINEを読んでいただけたら幸いである。