幸福なこと

孤独が辛い時に縋る思いで歌集を開いたらいつも欲しい言葉があった。音楽では凌ぎきれない気分の落ち込みと、同じ温度でその言葉たちは存在している。白い紙に黒い明朝体の文字しか存在していない。冷めきっていてとても静かで、無駄な装飾や感情を排除したその空間は、私の支えだった。
どうしても辛い時に、絶望しかない時に欲しい言葉が書いてあることの安心。私は、それによって完全に絶望してしまう前に再起できた。また、何度も倒れ伏してしまうが。
言葉を書ける人はすごい。私はこれからもここに安楽を求めるだろう。
孤独で辛い時は、読書すればいいのではないかと思い至った。それでも、好きな本でなければ意味が無い。とてもいい本に出会えてよかった。これだけは幸福だなと度々思う。

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