『首都高レポート』首都高大改造の行方Vol.1
「首都高名物・宝町クランク」より
東京駅八重洲口を出て、八重洲通りを佃方面へと進む。東京駅から千葉や茨城へ向うバスは通りを第一京浜、昭和通りと過ぎてすぐの「宝町」入口から首都高へ乗る。
河川を削って道路になった都心環状線(以下、C1)東側の謂わば北端で、神田川上に建設された江戸橋・箱崎JCTへ一気に高度を上げる登り勾配の中に宝町ランプがある。
通常時の渋滞情報は「三郷JCTまで25分」。京葉道路方面へも行けるため、東京駅から一番アクセス性の良い高速の玄関口になる。
だが、大きな悩みは渋滞。
分岐先にある箱崎JCTやその先の両国JCTの渋滞が、長い時は江戸橋JCTを越えて池袋線は飯田橋、C1は芝浦JCTまで延びるのだ。
八重洲口=首都高の真上
都心環状線も中央環状線や外環道と同じく、外環状線なのだ。圏央道のC4から都心へ近付いていくと、C3→C2→C1となる。
それを実感出来る場所がある。
東京駅八重洲口の玄関を出てすぐの「八重洲中央口前」交差点に立ち、東側を眺める。
近いといっても信号に引っかかりながら徒歩5分以上はかかるが、眺めている視線の先には宝町入口がある。
都心環状線の内側の路線=八重洲線
東京の中心からそんな近い場所に一本目の環状線があるわけだが、実は八重洲口前の外堀通りの下に首都高が延びているのだ。
八重洲口地下に広がる「ヤエチカ」は、飲食店や販売店が入るショッピングストリート。
地上には殆ど顔を出さない短い地下路線は、ヤエチカ駐車場と一体の出入口がある事で有名になった。
ナンバリングは「Y」。
湾岸線の「B」(Bay Shore Route)と同じく、英語表記の頭文字を冠している。首都高八重洲線は、C1神田橋JCTと汐留JCTを結ぶ2kmに満たない短い路線。
神田橋JCT
実は、JR山手線内回りの左側車窓からは神田橋JCTへのランプが見える。外堀通りの地下を通り、神田川にぶつかった所で地上に出てC1と合流するが、そのJCTが結構曲者。
竹橋JCT直前の為車線変更禁止となっているが、合流車線が短い上に交通量の多いS字カーブに突っ込んでいく構造。
首都高の中でも指折りの危険箇所で、路線を把握することと譲り合いの精神の両方が試される場所だ。
八重洲線南側は首都高とはつながらない
外堀通りを南に歩いていくと、八重洲線の短い地上部が顔を出している。金網に囲まれているが、「八重洲トンネル」と書かれた緑看板とカーブの注意喚起が見える。
汐留JCTの左分岐の看板には「Y」の文字があり、大型車と危険物積載車通行禁止の看板がある。しかし、芝浦PAにある注意書きには「危険物積載車両の通行禁止区間」として八重洲トンネルが挙がっているが、大型車についての表記はない。
八重洲トンネル=八重洲線だし、首都高は大型車の規制を受ける区間は無いと言うことになる。
しかし、トンネル区間を終えた八重洲線を辿っていくと、料金所手前でもう一本の高架道路と交わっている。
西銀座入口に答えがあった
メイン通りから極力逸れたくないと言うのが、地元から離れた道を走るドライバーの気持ちである。況してや大都会・東京だ。
「西銀座入口」は信号のない交差点を左折するように案内されていて、曲った先はメイン街道の盛況ぶりには劣るものの交通量は多い。
首都高の出入口とは違い、若干近寄り易さはあるが自動車専用道路の入口だ。恐る恐る「はいっちゃだめ」の境界線の手前にある「自動車道事業供用約款」を読んでみると、汐留JCTにある「大型車通行禁止」の答えが記されていた。
八重洲トンネルの先でつながっていたのは、首都高では無かったのだ。
つづく