一箱古本市in現代市2023出品目録№.1
2023年6月18日(日)開催の一箱古本市(新潟市)に参加します。こちらのnoteでは出品本20点を紹介しますのでぜひご覧ください。文庫が多めです。
①『発掘!子どもの古本』
古本蒐集家の北原尚彦による面白子ども古本の世界。子ども向け本は本当に多種多様で絵が怖すぎたりヘンテコ本になることがよくあり、わたしも集めています。人気が出ると古書価が高騰してしまうのでそれからはみ出た面白本を探すのがやはり古本愛好家の楽しみ方でしょう。
出品予定価格300円
②『ばく食え』
高橋克彦の怪奇幻想短編を吉田光彦が漫画化。表題作「ばく食え」の他3編を収録。これはとても面白いですね。緻密な構成と丹精な筆致が読者を惹きこみます。なぜか思い出せない過去が徐々に解き明かされる「匂いの記憶」見ると狂う「鏡台」が良かった。
出品予定価格300円
③『あんころごはん』
リクロ舎発行の外食エッセイ。ふらっと立ち寄った店、長く通った店、不味い、うまい、なんだか良い雰囲気、よく分からん店、色んな記憶の物語が展開されます。一つひとつが妙に面白く、挿絵のテイストも良い。まるっとした味のある判型もグッド。食エッセイ好きにおすすめです。
出品予定価格500円
④『のろわれた手術』
手塚治虫の怪奇短編アンソロジーです。ブラックジャックや写楽などお馴染みのキャラも登場。手塚作品には「復讐」と「愛欲」がテーマの作品が多くこちらもその一つといえます。恐怖もありながら普遍性も感じられる作であるのはさすが手塚治虫。おすすめの文庫です。
出品予定価格300円
⑤『肝腎』
様々なジャンルの方100名による200のブックレビュー。かけがえのない本を自身の体験と共に紹介。こだわりある装丁とピンクのスピンが手に馴染みます。これはとても良かった。
出品予定価格600円
⑥『一年生−ある小学教師の記録−(岩波写真文庫143)』
学校生活を送る児童の生き生きとした姿を捉えた記録集。無数の写真から選ばれただろう写真はどれを見ても微笑ましい。校長先生の話に飽きる姿、弁当を喰らう姿、黒板の絵…この一瞬を切り抜く事は先生の深い愛情を持ってしか成し得ないのである。
出品予定価格700円
⑦『漫画まんがマンガ展 日本まんがの300年』
古くは鳥獣戯画から始まる日本独自の漫画文化を振り返る展覧会図録です。現代マンガは少なめですが古典資料が充実しており楽しい図録となっています。
出品予定価格500円
⑧『恐怖と奇想 現代マンガ選集』
現代マンガとありますがセレクトはかなりマニアック。怪奇コミックをある程度趣味として読んでいる人におすすめしたい文庫本です。梵天太郎「河童」、呪みちる「赤いトランク」が特によかった。一風変わった怪奇漫画を読みたい方はぜひ。
出品予定価格500円
⑨『天皇陛下にささぐる言葉』
安吾が語る天皇論・反戦論。全32ページの小冊子ですが中身は充実しており現代にも通じる言葉が並びます。天皇や戦争を大きな声で語る事が憚られたであろう戦後間もない時期においてこのような尖った言論を発表した反骨精神には驚嘆します。
出品予定価格100円
⑩『会社員の哲学』
柿内正午さんの哲学風エッセイ。会社で働くと浮かんでくる種々のもやもやを今の言葉や話題でうまくほぐしているなあと感じます。様々な文献を引用しながらも堅苦しくなりすぎない文体で構成されています。これを読んで思ったのですが会社員ってもっと言葉で発信してもいいよなあ。
出品予定価格500円
⑪『東西奇ッ怪紳士録 (小学館文庫)』
古今東西の奇っ怪な人物を描く伝記漫画。平賀源内、ヒトラー、シュヴァルなどを軽妙な筆致でユーモラスに捉えています。批判されるべき点も賞賛されるべき点もフラットに表現するのは水木しげるならでは。どの人物が幸福だったのかは読者に委ねられます。
出品予定価格400円
⑫『谷崎マンガ』
谷崎潤一郎の小説を様々なテイストで漫画化。「変態アンソロジー」とありますが谷崎文学はそもそもどの作品にも変態的要素があります(それこそが魅力)。谷崎作品が好きな方や一風変わった漫画を好む方におすすめの文庫本です。
出品予定価格200円
⑬『畏悦録―水木しげるの世界 (角川ホラー文庫)』
水木しげるの傑作怪奇譚を収録。W・F・ハーヴィー「炎天」を下敷きにした「暑い日」が特にお気に入り。ある暑い夜に歩くと自分の名が刻まれた墓石を見つけ… 蘇りの秘薬を完成させた男が西郷どんを蘇らせるがまるで役に立たない「大人物」も傑作。
出品予定価格300円
⑭『error403のオチとは』
着想が非常にユニークな4コマ漫画集です。シュールな展開は予測不可能。現在売り切れですがメルカリでも入手できるので気になる方はぜひ購入してこの世界観をお楽しみください。
出品予定価格200円
⑮『書痴まんが』
本をめぐる怪奇譚や奇妙なファンタジーを収録。『ビブリオ漫画文庫』に続く第二弾アンソロジーです。書痴なら「分かる、分かる」と納得してしまうシーンが幾度も出てきて面白い。仕事の休憩に本を読み漁る話、西村ツチカ「きょうのひと」水木しげる「巻物の怪」が特にお気に入り。
出品予定価格400円
⑯『GO・STOP ーいのちを守るシグナル』
陸海空の信号とその歴史を豊富なビジュアルで紹介。鉄道信号や閉そくに関して詳しく掲載されています。INAXブックレットは文章も写真も良いので古本屋で見かけたら買いたくなる本です。
出品予定価格700円
⑰『天帝少年』
伝奇、SF、ホラーなど多様なジャンルの短編を収録。展開が突如変わる箇所が所々あって面白いですね。良い意味で驚きがあります。他の作品も読んでみたいと思いました。
出品予定価格300円
⑱『家庭電化読本』
昭和31(1956 )年キング一月号の付録。高度経済成長期の日本における家電を網羅しており読みものとしても面白いです。
出品予定価格700円
⑲『milsil(ミルシル)特集:アリ』
国立科学博物館が隔月発行する自然と科学の情報誌です。国立科学博物館では「ミュージアムショップのみの利用です」と申告すると30分間限定の入場券を無料で貰えます。大体売り切れていますがバックナンバーがどれも興味深い。
出品予定価格300円
⑳『雑な生活』
生活が雑な人とそうでない人が繰り広げるゆるい日常漫画。1人暮らしあるあるがいい感じに詰め込まれていて面白いです。ラストはお互いに相手を認め合う話。読後はほんのりと幸せな気分になりました。雑な人、雑な人にツッコミたくなる人、どちらにもおすすめの本です。
出品予定価格200円