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2023年に読んだおすすめ本リスト

通勤電車、仕事の休憩、育児の合間、休日の移動中、その他時間が少しでもあれば読書する。そんな一年でした。みなさまはどうだったでしょうか。

今年の読了本をカウントしたところ200冊を超えました。

そこで2023年に読んだおすすめ本を70冊紹介します(多すぎ…?)。

このブログを読んだ人が1冊でも「なんだこれ!面白そう!」と思ってくれたら幸いです。

※コンパクトな本くらいのボリュームになってしましました。ごゆっくりお読みください。

★ショートショート★


『キスの運び屋』
奇想天外で楽しい短編集。収録作全てが傑作といっても差し支えないです。夫人のキスを運ぶ「キスの運び屋」あらゆる病気が会議の末にストライキを始める「病気のストライキ」真面目で腕が良いのに不運続きな「不運にとりつかれた床屋」などを収録。

★論文紹介★


『ヘンな論文』
博士課程を修了したお笑い芸人が珍奇な論文を紹介する本。くだけた表現ではありますが掲載論文はどれも面白く読みたくなる事必至。さすが博士課程修了。「湯たんぽ」の研究や「世間話」の奇人論序説が特に興味深かったです。コラムもシンプルながら読み応えあり。続編も楽しい内容ばかりでした。

★100均★


『100均フリーダム』
100均で見つけた自由すぎるグッズを収録した本。雑を通り越して現代アートのような趣を感じます。むしろこのグッズたち欲しいと思ってきました。 風変わりなアートや変なものに心惹かれる方におすすめ。

★脳神経内科★


『怪談に学ぶ脳神経内科』
座敷童子、ろくろ首、幽体離脱などオカルトや怪異とされた現象を脳神経内科の眼で見つめ直す本。医学の専門用語が並びますが読み物として非常に面白く怪奇幻想文学を新たな視点で読む事ができそうです。いやあ、実に良い本でした。 #日本怪奇幻想読者クラブ の方々は是非。

★平成文化★


『平成レトロの世界』
平成らしさが漂うアイテムをまとめた本。メジャー品だけでなくちょっとマイナーな品があって平成世代は心惹かれるのではないでしょうか。「あったあった!」と頷きながら楽しめました。写真中心ですが年表はしっかり記載しコラムも充実。おすすめ本です。

★江戸文化★


『図説江戸のカルチャー教養書・実用書の世界』
出版文化が花開いた江戸時代。この本は当時の実用書を多数の図版と共に紹介します。江戸文化を垣間見る事が出来る良書ではないでしょうか。酒飲みの醜態は今も昔も変わらない…

★オカルト研究★


『カルト・オカルト』
平成から現在までを中心に宗教、疑似科学、トンデモなどを広く解説する本。利権との密接な関係、人間心理を悪用した手法など学ぶべき点が多い良書といえます。私たちがそもそも騙されやすい存在である事を再認識しました。

★幽霊譚★


『踏切の幽霊』
傑作。物語の真相となるピースが一つひとつ組み立てられていく展開は見事。ゴーストストーリーでありながらリアルさが全く損なわれないのは丹念な取材によるものでしょう。おすすめ本です。 #日本怪奇幻想読者クラブ

★図鑑★


『世界の終わり防衛マニュアル図鑑』
パンデミック・自然災害・核戦争・宇宙人の侵略という最悪の事態に立ち向かうため各国が準備したマニュアルを紹介。混沌を極める今こそ読んでおくべき書かもしれません。ナショジオの本はとにかくビジュアルが豊富で面白い。おすすめ本です。

★民話★

『ひどい民話を語る会』
民話マニアが珠玉(?)の面白ひどい話を持ち寄って語る本。とんでもない屁や糞が飛び交いふざけた省略や付け足しは勿論、教訓もへったくれも無いという凄まじさ。なのに抜群に面白い。珍奇な話、変な話、謎の話が好きな人はぜひ読んで欲しい本です。日本の民話すごい。

★UFOイラスト★

『イラストで見るUFOの歴史』
オーパーツ、UMA、UFO目撃談、エイリアンなど世界の謎をイラストで紹介。写真はないが豊富なイラストが嬉しい。入門書として非常にバランスよい仕上がりではないでしょうか。ユーフォロジストだけでなく世界の謎が大好きな人はぜひ。

★都市伝説★

『謎解き「都市伝説」』
メディアやSNSで話題となる都市伝説を徹底検証。オカルト本は興味を掻き立てるだけですが本書は綿密な調査によりその起源を探ります。図版も豊富で楽しい。4.5章の調査が特に面白かった。都市伝説の真相を知りたい方におすすめの本です。

★動物★


『野生動物のロードキル』
ロードキルに関する日本初の専門書。そもそもロードキルという言葉を知る人は少ない。なぜ起きるのか、どう防ぐのかを述べている。海外でデータ構築が為されている一方、日本は未熟である。自動運転にはロードキル情報も欠かせない。今後更なる発展が望まれる学問だ。

★評論★

『中央評論No.284特集|驚異と好奇心』 『中央評論No.322特集|恐怖を見積もる』
注文した2冊が中央大学から届きました。各号300円と非常に安いのが特徴。総ページ数についてはNo.284が190p、No.322は156pで特集ページは全体の約半分です。他の号も面白いので気になる方は早めの入手をおすすめします。

★スケッチ★

『UFO Drawings from The National Archives 』
イギリス国防省が収集したUFO目撃談とスケッチ。素朴な味わいだが歴史的価値のある資料ともいえる。UFO資料に興味がある方はぜひ。

★ヤクザ★


『ヤクザ2000人に会いました!』
抗争、政治、獄中、ドラッグ、セックス、家族、刺青など気になるトピックを数多く掲載。巻末の用語集も興味深い。本書にドラマはない。事実を淡々と並べた事に意義があると思う。闇世界へ果敢に潜り筆者の命を賭した労作だと感じた。

★ゲーム★


『決定版ビデオゲーム書籍史入門』
を新発田のメディアマックス

@mediamax_games

にて購入。ゲーム書籍は図書館所蔵が少なく市場にもあまり出回らないのでこのような本はとてもありがたい。ゲーム本愛好家にとって必須アイテムといえるのでないでしょうか。

@suzume_kosyo

すずめ出版にもいつか行きたい。

★ビジネス・心理★

『パワハラ上司を科学する』
日本で横行するパワハラ。科学的視点がこれまでの日本において驚くほど欠けていた事が分かる。パワハラに悩む人は勿論、経営者や管理者など職場運営に携わる人は必携といえる内容。改善手法はあるものの改善事例には触れていなかったため関連書を読んで学びたいと思う。

★海外小説★


『マーメイド・オブ・ブラックコンチ』
人魚と男、そして2人に関連する人々の愛を描く物語。舞台はカリブ海。異質さを抱える人の孤独、愛を認めつつも結ばれない関係、時に激しく交わす愛、どのシーンも映画のように見えてきました。この本は良かった。おすすめです。

★旅★

『酷道大百科』
全国の酷道を遍歴した筆者が一押しを紹介。検索すれば酷道の動画は多数ヒットしますが書籍としてまとまっているのはやはり嬉しい。私も林道酷道を走った時期があり落石・通行止め・狭隘道路を見て冒険気分を味わっていました。ドライブが好きな人、酷道愛好家はぜひ。

★ファンブック★


『タローマン・クロニクル』
NHKで放送され話題となった昭和特撮のガイド。これはすごい。何がすごいかというと一部ページを除き全部がデタラメ(嘘)なのである。あたかも事実かのように映画、ゲーム、グッズ、その他設定をこれでもかと盛り込んだ会心の書となっています。紀伊國屋限定特典も入手。

★自伝★


『不気味の穴』
ホラー漫画界の巨匠、伊藤潤二が生い立ちや創作秘話を公開。漫画家として活躍する以前にはSF小説家を目指していたという。特筆すべき箇所はホラー漫画の創作方法を紹介する章。創作者にとっては非常に役立つ内容ではないでしょうか。おすすめ本です。 #日本怪奇幻想読者クラブ

★まち歩き★


『マニア流!まちを楽しむ「別視点」入門』
まち歩きの達人(?)たちがマニアな世界を紹介。普通の人は全く気にも留めないであろう諸々の物体を愛でる視点はまさに「別視点」。マニア達はそれぞれの媒体で発信してきましたがこのように1冊にまとまるのは初ではないでしょうか。素晴らしい本です。

★コミック★


『Bye-Bye アタシのお兄ちゃん』
驚きと切なさが混ざり合った温もりあるショートストーリーです。メイド喫茶で働く女の子達はそれぞれ秘密を抱えており、1話ごとにその秘密が解き明かされていきます。この漫画は本当に良かった。気になった方はぜひ。試し読みはこちらから↓ https://morning.kodansha.co.jp/c/byebyemybrother.html…

★民俗学★


『愛法と呪法の博物誌』
愛執の呪詛、禁断の呪術など現代にも残る様々なまじないを集成した本。欲が鬱積するとこんなにも非合理な方法を取るのかと驚きます。血生臭い方法もあれば笑ってしまうような秘伝もあったりと千差万別。図版も多く楽しめます。民俗学、妖怪、魔術、呪いに興味がある方はぜひ。

★プロダクトデザイン★


『本能スイッチ』
身近にある商品デザインを本能に訴えかける仕掛け(本能スイッチ)と共に紹介。歯磨き粉のスースーとした感覚は何となく気持ち良くなるから使われている、JINSの陳列、ニコ動のコメント機能など優れた商品デザインを学べます。コンパクトでありながら出典も明記。おすすめ本です。

★世界の墓★


『世界のすごい墓』
世界各地の美しい墓、スケールがすごい墓、著名人が眠る墓を紹介。墓というと暗くて近寄り難い雰囲気ですがこの本を読むとイメージが変わるかもしれません。アクセスやポイントが分かりやすく記されており非常に楽しいガイドブックに仕上がっています。

★宗教★


『空飛ぶスパゲッティ・モンスター教ガイドブック』
既存宗教への強烈な皮肉を突きつけるスパモン教のガイド。ふざけた宗教かと思いきやインテリジェント・デザイン論に対する皮肉やユニークな教えがとても面白い。「終わりのない「うわあ‼︎‼︎」を受け入れよ」の教えが1番納得。関連書も読みたい。

★図録★


『奇なるものへの挑戦』
明治大正に流行した異端の科学と昭和平成の奇なるものを抽出した2014年の図録。奇妙で不思議な物に惹かれるのはいつの世も変わらず科学として熱心に研究されてきた。収録された図版がどれも良く、論考も充実した図録となっています。所蔵箇所が少ないですが気になる方はぜひ。

★歴史★


『忍者学大全』
帯文(忍者のすべてがここにある)に偽り無しの好著。 歴史から始まり、漫画、飯、武具、現代の忍者(奇術)、芭蕉忍者説など忍者カルチャーの全てを網羅しています。忍者学の嚆矢ながら決定版ともいえる懐の深い一冊。忍者やその周縁に興味がある方におすすめです。用語集も必見。

★研究★


『片手袋研究入門』
道路に落ちた片手袋をひたすら研究した本。ページの隅々まである種の狂気を感じる稀有な一冊となっています。1番驚いたのは片手袋が登場する創作物を拾い上げたページ。ここまで調べるか、と言いたくなります。街の片手袋を探したくなる本。変な本が好きですがこれは特に変で面白い

★社畜★

『社畜語辞典』
社畜が大量生産される日本。この本を読むサラリーマンは思わず「分かる」と頷いてしまうのではないでしょうか。バランス良く面白いワードがあるため最後まで楽しく(?)読めます。斜に構えた現代のビジネス用語辞典といえるでしょう。新卒はもちろん疲れ切ったサラリーマンはぜひ。

★地獄★


『地獄遊覧』
獄遊覧世界の宗教や神話における地獄と天国を巡る本。美しい図版を眺めるだけでも楽しめます。地獄をテーマにした本は様々ありますが情報量、質ともに納得の一冊といえるのではないでしょうか。こちらの作者は他にも面白い本を出しており『愛書狂の本棚』は奇書愛好家必見です。

★ポケットゲーム★


『最新ポケットゲームコレクション』
たまごっちから派生した数多のポケットゲームを一挙掲載。資料価値が高く人気の本であるため高騰していましたが今は落ち着き、買いやすい値段です。平成ホビー本が好きな方にとってはマストアイテムといえるのではないでしょうか。平成キッズはぜひ購入を。

★奇想★


『キルヒャーの世界図鑑 新装版』
奔放な想像力と旺盛な執筆欲で著された数々の作品を紹介する本。図版を中心に増補。奇想溢れる図版が非常に魅力的で眺めるだけでも十分に楽しめる本です。関連書として『おかしなジパング図版帖』もおすすめ。書籍情報↓(版元ドットコム) https://hanmoto.com/bd/isbn/9784875025535

★おまけシール★

『6歳と3歳のおまけシール騒動』
ビックリマンシールの交換という子ども文化の研究書。子どもの頃に色々なカードやシールを交換した思い出がダブってとにかく面白かった。時には盗まれたりケンカが起きたりと争いの種にもなるシール。思い返せば交換という経済を学んで生活してきたのだなと痛感した。弟がレアシールを引いた事が悔しすぎて泣いてしまうエピソード、ものすごく分かる。兄弟や友達がいいシールやカードを持っていたらそれが欲しくて欲しくて仕方なかった。交換で色々なシールを増やしていくのも楽しいがやっぱり良いシールを自分で引き当てるのが至高


★じゃんけん★


『じゃんけん必勝法』
じゃんけんの歴史から必勝法まで気になる話題をふんだんに盛り込んだ本。出典が明記されているため詳細にもアクセスできます。各国のじゃんけんや世界じゃんけん協会なども紹介。非常に楽しいじゃんけんガイドブックといえます。

★ヘンテコ★


『ヘンテコ本が好きなんだ』
世の中にはへんな本が溢れている。その中でもとびきりへんな本を集めたのがこの本だ。私もへんな本の魅力にハマった1人である。この本自体も装丁や構成がヘンテコで面白い。ブックガイドとしてとても面白い一冊でした。関連書として『ベスト珍書』もおすすめです。

★ちゃおホラー★

「モップ人間」
星乃みき「モップ人間」は一コマ目から全力。一癖あるホラー漫画が好きな方はぜひ読んでほしい傑作です。衝撃の結末を見逃すな…! #ちゃおホラー こちらから読めます↓ https://ciao.shogakukan.co.jp/webwork/6250/

★ミステリ★


『魔女の原罪』
第1章を読む途中、やや退屈だなあと感じていたら突如衝撃の展開が起き、その後答えを探る第2章は夢中になって読みました。ミステリ好きはもちろん、その他の人にもおすすめしたい傑作ミステリです。

★図書館幻想★


『図書館』
ゾラン・ジヴコヴィチによる本好きのための幻想短編集です。謎のメールから始まる「仮想図書館」閉館後に閉じ込められた先に待つ奇妙な図書館「夜の図書館」がお気に入り。古本屋、勤務後の映画館、押し寄せる蔵書、本が好きな方なら思わずにやける場面多数。 #日本怪奇幻想読者クラブ

★銅版画★


『ジャック・カロを知っていますか?』
銅版画界における偉人カロを巡るエッセイ・画集。生い立ちから当時の情勢などを画と共に分かりやすく解説しているためとても読みやすいです。幻想画集が好きな方はぜひ。美術エッセイとしても秀逸。筆者の素直な感動が伝わってきます。美術論にも共感しました。

★幻想コミック★


『ばく食え』
高橋克彦の怪奇幻想短編を吉田光彦が漫画化。表題作「ばく食え」の他3編を収録。これはとても面白いですね。緻密な構成と丹精な筆致が読者を惹きこみます。なぜか思い出せない過去が徐々に解き明かされる「匂いの記憶」見ると狂う「鏡台」が良かった。 #日本怪奇幻想読者クラブ

★エッセイコミック★


『散歩する女の子』
散歩すると見つかるちょっとした面白いもの、これって私だけ?という想像。その一つひとつが1冊にまとまるとこんなにも良い本になるんだ、と驚きました。散歩が好きな人、街の観察が好きな人はぜひ読んで欲しい、魅力満載のマンガです。

★考古学★


『土偶を読むを読む』
ある意味で話題となった本の検証本。『土偶を読む』は考古学界からの批判を読み逆に読みたくなり読んでみたのですが…専門外の私でも僅か数分で読むのを諦めたくなる内容(もちろんそれを楽しむ人がいるのは知っています)。本書は丁寧に考古学の現在(いま)を解説しています。

★生保業界★


『気がつけば生保レディで地獄みた。』
就活が思うように進まない中、生保業界へ就職したが内情はパワハラ、セクハラ、ノルマの三重苦。友人へ片っ端から営業連絡し除け者にされ、1人ヒールを投げ出し公園で酒をあおる。次々と壊れていく人を見ても段々と慣れ… 赤裸々に語るノンフィクションです。描写はかなりリアルである程度のフィクションは含むものの、ほぼ現実なのだといえます。読んでいてかなりハードな描写もあり、正直とても疲れたのですが読み進めるのを止められませんでした。それだけ真に迫るものがあり、ある種の「念」を感じます。保険業界、本当に変わってほしい。

★エッセイ★

『電車のなかで本を読む』
を電車のなかで読む。たったいま読み始めたのですがパラパラと読んだだけで最高の本だってことがわかります。図書館リクエストした本だけどこれは購入しようかな。

★海外ホラー★


『寝煙草の危険』
国書刊行会のスパニッシュ・ホラー文芸第二弾。いやあこれは非常に良かった。幻想的な恐怖、現実的で社会的な恐怖、オカルトめいた恐怖、唐突な幕切れによる恐怖などバリエーション豊かな短編集となっています。スレッドにお気に入り作品の評を書きます。 #日本怪奇幻想読者クラブ

★奇妙な絵本★


『押絵と旅する男』
江戸川乱歩の奇妙な物語が絵本となりました。藤田新策が手がける怪奇幻想世界は夏の蒸し暑い夜にぴったりではないでしょうか。物語はもはや語る必要がないくらいの傑作です。乱歩ファンは勿論、怪奇幻想ファンはぜひ。
#日本怪奇幻想読者クラブ

★婚活★


『マッチング・アプリ症候群』
女性のジャーナリストである筆者が数々のアプリに登録して男性たちと出会う日々を克明に書いた本。女性ユーザーにも取材しています。いいねが大量に来る人気の男女がなぜずっとアプリを彷徨うのか?写真詐欺、ヤリモク、どれも実体験のため非常に迫るものがあります。

★疾患ルポ★

『手洗いがやめられない』
全てのものが汚く見えいつまでもいつまでも手洗いを続ける、そんな行為に囚われた記者の闘病譚です。「妻の声」が掲載されておりこの部分がとても身が詰まる思いでした。当事者が最も辛いのは勿論ですが支える家族も辛い。闘病記であり家族の物語でもある本。良い本でした。

★ゴーストイラスト★


『イラストで見るゴーストの歴史』
世界のゴーストやオカルトの歴史をイラストで学ぶ本。コンパクトな本ですが情報量が多く楽しいです。巻末にはゴーストの古典や名著も紹介されています。「ゼルダの伝説ムジュラの仮面」を基にした怪談は初めて知りました。オカルトやゴーストが好きな方におすすめ。

★心霊スポット★


『心霊スポット考』
心霊スポットとはそもそも何か?歴史や代表地点を真面目に考察する本です。民俗学や論文を読むのが好きな方に特におすすめ。ちょっと怪談が好き、くらいの人にとってはやや難しい内容かもしれません。新潟の有名スポットが詳しくあって楽しかった。資料本としても非常に良い。

★自己啓発★


『スペクテイター 自己啓発のひみつ』
教養、自己分析、コスパ、マインドフルネス、その他様々なワードで現代人をあらゆる方向に駆り立てる「自己啓発」。この本ではその歴史、危険性、人物を取り上げビジュアル豊富に紹介していきます。この雑誌今まで読んでいなかったのですが構成も文章もかなり良い

★図録★


『誕生100年 ローズオニール キューピー展』
1909年、アメリカの婦人雑誌に登場したキューピーは世界で大ブームを巻き起こします。今見ても本当にかわいらしいですね。貴重資料満載の素晴らしい図録です。ページがキューピーマークになっていてこれもかわいい。

★ヘンな漫画★


『逢魔がマンガ館』
ヘンな漫画だけを紹介する同人誌。有名(?)作品は勿論、多くの意味不明(褒め言葉)漫画が並んでおり頭がおかしくなります。『風のちんころう』は初めて知りました。掲載された漫画どれも欲しいです。

★家族ルポ★


『ネット右翼になった父』
父の葬儀に出た筆者は何故か無に近い心境であった。教養ある父だったはずが晩年はヘイトスラングを繰り返していたからだ。なぜ右傾化したのか?家族親戚友人から聞いた父の姿とは?実像に迫る事は出来るのか? 家族再生の物語でありとても刺さる内容です。おすすめ本。

★画集★


『石田徹也』
高校時代に初めて石田の作品を見て衝撃を受けた。表情、テーマ、痛々しい姿、全てが突き刺さる。31歳で亡くなるまで、正に命をかけて作品を制作した石田。その画業を知るのに最適な1冊です。おすすめ本。

★アンソロジー★

『うんこ文学』
うんこを漏らすという行為を集めた異色のアンソロジー。幅広い年代、作家による様々な排泄の表現はどれも面白く読めました。漏らす事を知る人であれば文中の悲しみや切なさは痛いほど刺さるのではないでしょうか。尻拭きに最適な品を語るラブレーの一編が特に気に入りました。

★日本の墓本★


『絶滅する「墓」』
日本における弔いと墓の変遷を説く一冊。大名や天皇といった墓の他、各地の珍しい墓も紹介。後半にはデジタル供養や企業墓、散骨など新たな形を提示します。墓や弔いに興味がある方にはぜひ読んで欲しい内容。歴史と昨今の動きなどがコンパクトにまとまった好著といえます。

★ヘンな本★


『ヘンな本大全』
書店や古本屋で時々遭遇する「ヘン」な本を集めたムック。私はこの手の本が大好きで「よくぞここまで紹介してくれた!」と共感しました。各方面の専門家(?)たちがセレクトしたとっておきは正に愛すべき奇書といえます。変わった本が好きな方だけでなく全ての本好きにおすすめ。

★ゴジラ★


『ゴジラ大解剖図鑑』
昭和平成令和と続くゴジラシリーズの怪獣を詳しく図解。作品そのものより怪獣の造型にクローズアップしています。見るべきポイントが事細かに解説されておりどの世代のファンでも楽しめる事でしょう。手書きならではの迫力があって非常に楽しめました。私の息子も大興奮でした。

★民俗学★


『中国の死神』
中国の民間信仰である「無常」の正体を丹念なフィールドワークや文献収集により解き明かす本。まず無常という存在を知っている人はどれくらいいるのでしょう?私は全く知りませんでした。学術的な面もありつつ無常の輪郭が次々と明らかになる展開は読んでいて非常に面白かったです。

★犯罪ルポ★


『母という呪縛娘という牢獄』
医学部9浪の娘が母を刺殺した事件の真相を探るノンフィクション。学歴に囚われた母はまるで看守のように娘を束縛し続ける。暴言暴力に疲弊した娘は何度も家出するも探偵を雇った母により捕縛。過酷な生活が更に悪化する。お互いのどちらかが死なない限り終わらない地獄。

★虫★


『虫への愛が止まらない』
ハチ・クモ・ムカデの毒で悶絶し、クワガタのハサミで肉を裂き、あらゆる虫を実食する正に体当たりの虫本。いやあ、ここまで凄いとは思いませんでした。電車で読んでいましたが思わず笑ってしまいそうになるくらい面白かったです。受毒し喜ぶ様は正に狂気(褒め言葉)…!

★カラス★


『とことんカラス』
最も身近な鳥「カラス」の基本知識やディープな情報を豊富なビジュアルで紹介。ゴミ漁りや糞害など悪いイメージはあるものの過去には神の使者として信じられていました。この本をきっかけに観察してみると面白い姿が多く見えてきました。鳥や動物が好きな方におすすめの本です。

★冤罪★


『冤罪学』
専門書でしか読む事ができなかった知見や豊富な事例を1冊にまとめた冤罪の基本書。「なぜ人は間違うのか?」という視点に基づいて著されているためヒューマンエラーや事故・事象分析に携わる人にもおすすめです。裁判官、検察官、警察官、弁護士、研究者にとっては必携といえる画期的な書。

★文芸同人誌★


『アンソロジー 非実在神様」
日本各地に伝わる架空の「⚪︎⚪︎さま」アンソロジー。言い伝えとそれを守る人、振り回される人、受け入れる人、様々な人間模様がとても面白かったです。土着信仰や不思議な話が好きな人におすすめ。 購入リンク↓ https://setochitose.official.ec/items/80635587 #日本怪奇幻想読者クラブ

★お仕事★


『葬送のお仕事』
中学以上向けに書かれたお仕事本。葬儀業界といえば「おくりびと」で一躍脚光を浴びましたがその詳細を知る人は僅かでしょう。この本では気になる疑問やかつての差別、そして今も残る偏見、また給与事情など非常に多岐にわたる項目を解説。充実した学習本です。これはおすすめ。

★文字★


『世界文字の大図鑑』
人類の歴史で最も重要な発明の一つ「文字」の歴史と謎を探る本。子供向けかと思いきや内容は非常に深く、興味深いものばかり。支配と侵略によって多くの文字が殺され、そして生まれたのだなと感じました。ページをめくるたびに全く聞いた事がない文字が登場。文字好き必読書。

いかかだったでしょうか。では2024年もよろしくお願いします。

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