トイレ動作とは? トイレ動作の工程と必要な分析を考える
こんにちは。作業療法士の内山です。
みなさんは在宅復帰に際して、トイレ動作の重要性をどれだけ考えていますか?
脳卒中患者の在宅復帰に影響する関連因子を検討した論文では以下のように書かれています。
このようにトイレ動作は食事・更衣動作と並び在宅復帰のための条件として優先順位が高いことが伺えます。では、トイレ動作はどのような工程を含んでいるのか今一度考えていきましょう。
トイレ動作の工程
トイレ動作の工程は大きく分けて4つあります。今回は各工程の説明を簡潔にしていきます。
詳細な説明は次回以降のコラムでしていきます。
①トイレに向かう
→尿意・便意を催して、車椅子駆動or歩行でトイレまで向かいます。そのためには車椅子駆動するための上肢機能や歩行のための下肢機能が必要になります。またこの際、転倒リスクが高い方は、スタッフに声掛けするor転倒ムシ設置など何らかの工夫を要する場合もあります。
②移乗動作
→車椅子レベルの方であれば、車椅子・便座間の移乗動作も必要になってきます。トイレは空間が狭いため、正面に停めた状態で180°方向転換が必要です。この時は立位の状態を保持しながら手すりを把持したりと、四肢・体幹の分離した動きがより高度に求められます。
③下衣の着脱動作
→立位保持を上肢フリーで行えるか、手すり把持で行うかによって難易度が変化します。
両上肢をフリーで使用できれば、容易に可能なことが多いですが、手すり把持の状態であると。片手で着脱を行う必要があり、立位保持時間もより長く要求される場合が多いです。
④座位動作(座位保持、清拭)
座位では主に清拭動作が大きな比重を占めてきます。清拭動作では、上肢のより細かい巧緻動作が必要になってきます。上肢の分離運動はもちろんのこと、手指の分離運動も高いものが要求されます。
清拭動作自体は、在宅復帰に関連する因子として低い傾向があると述べられてはいますが、患者さんはデリケートゾーンであるため、自身で行えるようになりたいと希望する方が多いのも現状です。
在宅復帰への関連性が低いからといって、蔑ろにできない部分でもあります。
まとめ
トイレ動作(特にトイレ移乗)は在宅復帰の条件として関連性が高い
トイレ動作の工程は大きく分けて4つ挙げられる
座位〜立位まで様々な姿勢での四肢・体幹の分離運動が必要となる