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【PREP書評】ずる-嘘とごまかしの行動経済学-【ダン・アリエリー】

読書の世界をもっと楽しみたい、でも何を読めばいいのかわからない――そんなあなたのために、「PREP書評」をご提供します。

この企画では、私が読んで勉強になった本の概要やポイントをわかりやすく紹介し、皆さんの読書、noteやブログの執筆に役立ててもらうことを目指しています。

具体的には、PREP手法(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張))を使って、本の魅力を分かりやすくお伝えします。

今回ご紹介するのは、ダン・アリエリー教授の『ずる』↓です。

この本は単なる行動経済学の本ではなく、読むたびに「人間」とは何か考えさせられる書です。

Point(主張)

「ずる」とは誰にでも潜むもの

『ずる』は、私たちが普段気づかずに行っている「小さな不正」や「ずる」をテーマにした行動経済学の一冊です。

ダン・アリエリー教授は、本書で、私たちの多くが自分を正直で立派な人物だと思い込んでいるものの、実際には、自分をそう思える程度に日常的に少しずつ「ずる」をしていることを明らかにしています。

この本を読むことで、「人間」について深く考えるきっかけが得られます。


Reason(理由)

人間の不正行為は、内面の道徳規範や外部の環境・状況によって大きく左右される

私たちがなぜ「ずる」をしてしまうのか、その背後にはさまざまな要因があります。

アリエリー教授は、不正行為がばれるリスクが低くなることでその行為が増えるモデル(合理的犯罪モデル)に疑問を持ち、私たちの倫理観や道徳規範にも影響されていることを示しています。

個々の不正行為は環境や状況に依存しやすく、私たちの行動は常に内面と外部からの影響を受けていることが理解できます。

Example(具体例)

道徳的規範が行動に与える影響――UCLAでの実験結果

本書では、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で行われた実験が紹介されています。

この実験では、集まった450人の実験参加者(学生)をランダムに二つのグループに分けました。


一方のグループには「モーセの十戒」をできるだけ思い出して書き出してもらいました。

もう一方のグループには、高校時代に読んだ本の題名を10冊を思い出して紙に書くように求めました。

その後、どちらのグループも同じ課題に取り組み、不正行為を行うかどうかを検証しました。

結果として、「十戒」を思い出したグループでは、不正行為は全く行われませんでした。

一方で、高校時代に読んだ本の題名を思い出したグループでは、少しではあるが不正が見られました。

この実験から、単に道徳的な規範を思い出すことだけで、私たちの行動に対して大きな影響を与え、より正直な行動を促す可能性があることが示唆されています。

Point(再主張)

「ずる」は誰にでも内在する特性です。


ダン・アリエリーさんの『ずる』は、行動経済学をベースに人間に関する深い洞察を与えてくれる本です。


私たちがなぜ不正を行うのか、その仕組みを解き明かし、より良い行動を取るためのヒントを提供してくれます。

人間の心理は本当に興味深いですね。


今までの自分自身の行動を振り返りかえってみても、人間の弱さや矛盾に気づかされます。


不正やずるは誰にでも起こり得ることだからこそ、その理解を深めることは、私たち一人ひとりにとって重要な課題だと言えるでしょう。


きゅうさんの本棚:さらに本書に興味をお持ちの方へこの記事をお読みいただき、さらに『ずる』に興味をお持ちになった方は、お近くの書店やオンラインストアでおすすめの本を手に取ってみてください。

きっと理解が一層深まることでしょう。

ちなみに、英語版もあります

Audible 英語版


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