【PREP書評】グローバルサウスの逆襲【池上彰、佐藤優】
読書の世界をもっと楽しみたい、でも何を読めばいいのかわからない――
そんなあなたのために、「PREP書評」をご提供します。
この企画では、私が読んで勉強になった本の概要やポイントをわかりやすく紹介し、皆さんの読書、noteやブログの執筆に役立ててもらうことを目指しています。
具体的には、PREP手法(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張))を使って、本の魅力を分かりやすくお伝えします。
今回ご紹介するのは、池上彰さん、佐藤優さんの『グローバルサウスの逆襲』です。
Point(主張)
「グローバルサウス」が今後の国際社会の中心的役割にになりうる
『グローバルサウスの逆襲』の主張は明快です。
アジア、アフリカ、中南米を主とする「グローバルサウス」と呼ばれる地域が今後の国際情勢を大きく左右する存在となっている、という点です。
彼らはこれまでの歴史的背景において「途上国」、「第三世界」として扱われ、影響力を限定されていました。
しかし、現代では名目GDPの総計でG7を上回り、多数の人口を擁するため国際的な勢力均衡を変えつつあります。
これらの国々が国際舞台で存在感を増しつつあることが、今後の世界の秩序にどのように影響を与えるか、本書は詳しく論じています。
Reason(理由)
経済成長、人口、資源がグローバルサウスの影響力を高めている
本書では、これらの地域の経済成長が国際的なパワーバランスを変える鍵であると強調しています。
経済成長により、G7を超える経済力を持つようになり、これが結果として国際社会での発言力を強める要因となっています。
また、彼らは資源や人口の面でも豊富であり、これが多様性を伴った影響力の強化に繋がっています。
経済的に成長するだけでなく、それを背景にして国際関係において駆け引きを行う立場にも立っています。
その影響力は中東の情勢やアメリカ内政、アジアのパワーバランスなど多岐にわたることが示されています。
Example(具体例)
本書は「グローバルサウス」の視点から見たアメリカや日本の位置付けが面白い
本書の面白さの一つは、「グローバルサウス」の分類に対する独特な視点にあります。
一般的に「グローバルノース」と「グローバルサウス」という分類は、先進国と途上国を分けるものとして使われます。
しかし池上氏と佐藤氏はこの枠組みをさらに進化させ、一つの国内でもイデオロギーなどが著しく異なる地域を、ノース(的)とサウス(的)に分類しています。
例えば、アメリカのニューヨークやワシントンのような都市部は「グローバルノース」として扱われています。
一方で、アーカンソーやカンザスのような地域は「グローバルサウス」の性質を持っているとし、「トランプ現象」が起きた大きな原因の一つと考えられています。
また、日本全体は「グローバルノース」として位置付けられていますが、沖縄のような地域は「グローバルサウス」的な側面を持つと考察しています。
このように、国単位でなく地域ごとに異なる視点を持ち込むことで、国際関係の複雑さと多様性を示しているのが特徴です。
Point(再主張)
「グローバルサウス」の影響力の増大を理解することは、これからの国際関係を読み解くうえで欠かせない視点
グローバルサウスの伸長が始まっていることを理解することは、私たちにとって非常に重要です。
本書を通じて、グローバルサウスがどのように台頭しているのか、そしてその影響がどのように現れるのかを深く知ることができました。
これからの国際社会の動向を読み解くうえで、伝統的なグローバルノースの視点だけでなく、グローバルサウスからの視点を持つことが大切だと感じました。
きゅうさんの本棚:さらに本書に興味をお持ちの方へ
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きっと理解が一層深まることでしょう。
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