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【今更聞けない用語解説】アメリカ大統領選挙

現在、noteに何を書くか模索しているところですが、タイトルの通り、報道などでよく耳にする言葉を、誰にでも理解できるようにコンパクトにまとめて紹介する企画です。これは別企画「中学生2年生でも理解できる用語解説アメリカ大統領選挙」(下記リンク参照)を少し難しくしたものです。

今年は4年に一度のアメリカ大統領選挙です。現時点では、共和党ではトランプ前大統領が、民主党ではカマラ副大統領がそれぞれ大統領候補として熾烈な争いを繰り広げています。

ところで、「アメリカ大統領選挙って、一体どんな仕組みで行われているのだろう?」と思ったことはありませんか? 

ニュースやSNSで頻繁に取り上げられるものの、その複雑さや独特の制度ゆえに理解しづらい部分も多いかもしれません。 

今回は、今更聞けないアメリカ大統領選挙の基本から最新の動向まで、詳しく解説します。

1.選挙の周期と基本構造

アメリカ大統領選挙は4年に一度、閏年の11月に実施されます。この選挙は単なる一日の投票ではなく、約1年以上にわたる長いプロセスを経て行われます。 

選挙の流れは大きく以下の4つの段階に分かれます:

①予備選挙と党員集会(Primary and Caucus):各政党が大統領候補を選出。

②全国党大会(National Convention):正式な候補者の指名と党の政策綱領の決定。

③一般投票(General Election):有権者が選挙人を選ぶ投票。

④選挙人投票(Electoral College):選挙人が大統領と副大統領を選出。

こんな↓感じですね


2.予備選挙と党員集会の詳細

①の予備選挙と党員集会は、各州ごとに異なる方式で行われます。予備選挙は一般有権者が参加でき、党籍に応じた参加条件があります。 

一方、党員集会は党の登録メンバーのみが参加し、集会形式で討論や投票が行われます。この段階で各候補者は党の代表としての支持を獲得するために全国を駆け巡ります。

3.「スーパーチューズデー」とは

選挙戦の中盤には「スーパーチューズデー」と呼ばれる重要な日があります。 

この日は多くの州で同時に①の予備選挙や党員集会が行われ、大勢が決まることも少なくありません。ここでの結果は、その後の選挙戦に大きな影響を与えます。

4.全国党大会での正式指名

②の全国党大会では、各州から選ばれた代議員が集結し、正式に大統領候補と副大統領候補を指名します。 

また、党の政策綱領である「プラットフォーム」もここで策定されます。大会はテレビやインターネットで広く中継され、党の結束を示す場でもあります。

5.一般投票と選挙人団の仕組み

③の一般投票は、11月の第1月曜日の翌日の火曜日に全米で行われます。しかし、この投票で選ばれるのは大統領ではなく「選挙人」です。 

各州の選挙人の数は、その州の下院議員数と上院議員数(各州2名)の合計で決まります。 

全米で選挙人は合計538人で、本戦で過半数の270票以上を獲得した候補者が当選します。

6.勝者総取り方式の影響

ほとんどの州では「勝者総取り方式(Winner-takes-all)」を採用しています。 

この方式では、その州で最も多くの票を得た候補者が、その州の選挙人全員を獲得します。例えば、カリフォルニア州で勝利した候補者は、州に割り当てられた54人全ての選挙人を獲得します。 

このため、僅差でも勝利すれば全選挙人を手に入れることができ、選挙戦略としてどちらが勝つか分からない「スイング・ステート(揺れる州)」に注力する傾向があります。

7.選挙人団制度の歴史的背景

何故この様な制度を取るのでしょう? 

選挙人団制度は、アメリカ建国当初の州間のバランスを取るために設けられました。当時は通信手段も限られており、全国的な直接民主制は現実的ではありませんでした。 

また、小規模な州や農村部の意見を反映させることで、連邦制の維持と地域間の公平性を図ろうとしたのです。

8.選挙人団制度への批判と改革の動き

近年、この選挙人団制度に対する批判が高まっています。 

特に、全体の得票数(ポピュラー投票)で上回っても、選挙人団の票で敗北するケースが発生したことで議論が加熱しています。例えば、2024年の選挙では、クリントン氏がトランプ氏を総得票数で約255万票差で上回ったにもかかわらず、選挙人制度では過半数を獲得できずに敗北しました。 

このような状況を受けて、選挙人団を廃止し、直接選挙に移行すべきだという意見も増えています。

9.最新の動向と課題

SNSの普及や情報操作の懸念もあり、選挙プロセス自体が複雑化しています。 

外国からの介入やフェイクニュースの拡散など、新たな課題も浮上しています。 

また、新型コロナウイルスの影響で郵便投票が増加し、その信頼性や集計方法についても議論が行われています。

10.アメリカ大統領選挙の国際的な影響

アメリカ大統領選挙は、国内だけでなく国際的な影響も大きいです。新大統領の政策次第で、国際関係や経済、市場動向が大きく変わることがあります。 

そのため、世界中が注目する一大イベントとなっています。

11.まとめ

アメリカ大統領選挙は、独特で複雑な選挙人団制度を持ち、歴史的な背景や現代の課題が絡み合っています。 

この機会に基本から最新の動向まで理解することで、ニュースや世界の動きをより深く捉えることができるでしょう。 

選挙制度への理解を深めることは、民主主義の本質を考える上でも重要です。

以上で「アメリカ大統領選挙」の説明は終了です。ご不明な点や共感できた点など、ぜひお気軽にコメントをお寄せいただければ幸いです!また、もしこの記事を読んで難しいと感じた方は、下記のリンクから別記事「中学2年生でも理解できる用語解説 アメリカ大統領選挙」をぜひご覧ください。


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