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【PREP書評】言語化の魔力【樺沢紫苑】
読書の世界をもっと楽しみたい、でも何を読めばいいのかわからない――そんなあなたのために、「PREP書評」をご提供します。
この企画では、私が読んで勉強になった本の概要やポイントをわかりやすく紹介し、皆さんの読書、noteやブログの執筆に役立ててもらうことを目指しています。
具体的には、PREP手法(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張))を使って、本の魅力を分かりやすくお伝えします。
今回ご紹介するのは、精神科医・樺沢紫苑さんの『言語化の魔力』です。
【Point(主張)】
言語化は、悩みや不安を軽減し、人生を前向きに動かす為の強力なツール
『言語化の魔力』が伝える最大のポイントは、「悩みを無理に解決しようとしなくても、まずそれを言葉にするだけで心が軽くなる」というシンプルなものです。
悩みやストレスは、頭の中で渦巻いているうちは形が曖昧で、より大きな不安を誘発します。
しかし、言葉に変換して書き出したり話したり「外に出す」ことで、それを客観的に眺められるようになり、思考がクリアになります。
【Reason(理由)】
言語化は脳内リソースを整理し、不安を客観化するための科学的にも有効なプロセスである。
樺沢紫苑さんは精神科医として30年以上の臨床経験があり、また数千件もの悩み相談を通じて、多くの人が悩みを抱え続ける本質的な原因に「停滞」があると指摘しています。
人は不明確な不安や葛藤を抱えたとき、頭の中だけで考え続けると問題は肥大化し、行動するエネルギーを奪います。
しかし、そのモヤモヤを紙に書く、あるいは他人に話して言葉にすることで、脳内で雑然としていた情報が「整理」され、不安の減少やメンタルの安定化に寄与します。
結果として、自分がコントロールできる領域に意識を向けることが容易になり、「どうにもならない」と感じていた思考から抜け出すきっかけを得られるのです。
また、ネガティブな口癖や言葉づかいが自分自身を追いつめる呪文になってしまうことも本書で語られています。
そのため、意識的にポジティブな言葉を使い、他者の視点を取り入れ、自己肯定感を高める工夫が効果的であることも理由の一つです。
【Example(具体例)】
「3行ポジティブ日記」を活用した「一日の感謝ワーク」を続けた私の体験。
私自身、『言語化の魔力』を読んでから、「悩みを書き出す」という行為を試してみました。
最初は本書で紹介されている「3行ポジティブ日記」にトライし、ノートにその日にあった良いことを3行程度でまとめようとしました。
はじめのうちは「あんまり意味があるのかな」と半信半疑でした。
正直なところ、書く日と書かない日があったり、続けてもあまり効果を実感できない時期がありました。
そんなとき、X(旧Twitter)とnoteで相互フォローしている方が「一日の感謝ワーク」をしているのを目にしました。
そのフォロワーさんに許可を取ったうえで、私も「一日の終わりにポジティブな感謝を表す」ワークを始めてみました。
Xとnoteの執筆は生活の一部になっていたので、続けていくうちに「今日書く感謝のネタを探そう」という気持ちが芽生え、日中から自然と「いいこと」に目を向ける習慣ができました。
すると、不思議なことに、以前はすぐにネガティブに捉えていた出来事も、「まあ、今日はこれがあったし悪くないな」と気分を転換できるようになったのです。
この変化はまさに「言語化」の力といえます。
見えない悩みや不安を言葉として外に出し、ポジティブな要素を意識的に探すことで、日常が少しずつ軽やかになっていく体験は、『言語化の魔力』で説かれていることの有効性を身をもって感じさせてくれました。
【Point(再主張)】
言語化することで悩みを客観視し、前向きな行動へシフトさせることが可能になる。
最終的に、『言語化の魔力』が伝えるのは、悩みや不安は「言葉」にすることで減り、人生が動き出すというメッセージです。
どんなに解決困難な問題に見えても、まずはそれを言語化して「外」に出すことで、停滞していた気持ちに風穴が空き、行動可能な一歩が踏み出せます。
ネガティブなセルフトークをやめて、前向きな言葉を選び、客観的な視点を得ることで、私たちは心の持ちようを変えていくことができるのです。
きゅうさんの本棚:さらに本書に興味をお持ちの方へ。
この記事をお読みいただき、さらに『言語化の魔力』に興味をお持ちになった方は、お近くの書店やオンラインストアで手に取ってみてください。
きっと理解が一層深まることでしょう。
さらに、Audibleでのご購入や、聴き放題サービスへの登録でオーディオブックとして楽しむこともできます。
ぜひ一度お試しください!