【PREP書評】室町は今日もハードボイルド【清水克行】
読書の世界をもっと楽しみたい、でも何を読めばいいのかわからない――そんなあなたのために、「PREP書評」をご提供します。
この企画では、私が読んで勉強になった本の概要やポイントをわかりやすく紹介し、皆さんの読書、noteやブログの執筆に役立ててもらうことを目指しています。
具体的には、PREP手法(Point(主張)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(再主張))を使って、本の魅力を分かりやすくお伝えします。
今回ご紹介するのは、清水克行さんの『室町は今日もハードボイルド』です。
最近、漫画「逃げ上手の若君」等で注目されつつある中世日本世界ですが、室町時代の風俗習慣を理解するための本当に面白い一冊です。
Point(主張)
室町時代の日本人は、「おとなしい」イメージとは全く異なる、
この本を通じて、室町時代の人々の生き方は、現代の「おとなしい日本人」のイメージからは程遠いアナーキーで凶暴な一面を持っていた。ものであったことがわかります。
彼らの行動は、しばしば大胆で、時に過激であり、驚かされること間違いなしです。
Reason(理由)
清水克行さんは、当時の日本社会が持つアナーキーでダイナミックな側面を生き生きと描き出し、室町時代が実際には「日本らしくない」時代であったことを示しています。
例えば、私たちが持つ「日本人は勤勉でおとなしい」という一般的なイメージは、近代になってから形成されたものであり、中世の日本人は実際には多くのトラブルを自分たちで解決し、時には武力を使ってでも目的を果たしていました。
これは、現代の日本人が想像する「平和的」な日本とは大きく異なる一面です。
Example(具体例)
例えば、夫が他の女性のもとに走った場合、妻がその相手を襲撃する「うわなり打ち」という恐るべき慣習が存在していました。
この「うわなり打ち」は、平安中期から江戸前期にかけて存在した実際の風習で、夫が新たな女性を選んだ際、捨てられた妻は女友達を集めて相手の家を襲撃するというものです。
史上最も有名な例としては、源頼朝の妻であった北条政子が挙げられます。
彼女は、夫が他の女性に走ったことに怒り、徹底的に報復しました。
このエピソードからも、当時の日本人たちの強さと過激さが伺えます。
また、そのほかにも驚くべきエピソードも本書には満載です。
こうした話から、当時の人々がいかにして自分たちの権利を守り、生き延びるために戦っていたかが浮かび上がります。
Point(再主張)
室町時代の人々は、私たちが抱く「おとなしい日本人像」とは全く異なり、実にハードボイルドでアナーキーな生き様を貫いていたのです。
この本を読むことで、私たちが普段持っている日本人のステレオタイプがいかに偏ったものであるかを知ることができます。
室町時代の人々は、恐れ知らずで、自分たちの生き方を貫くためには手段を選ばない、そんな一面を持っていたのです。
清水克行さんの描く中世日本は、驚きと発見に満ちていて、私たちの「歴史観」を根底から揺さぶります。
彼らの大胆で凶暴な行動は、現代の「日本人像」考えさせられることが多く、「日本人とは何か」と考え直すきっかけにもなるかもしれません。
きゅうさんの本棚:さらに本書に興味をお持ちの方へ
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