見出し画像

【中学生2年生が理解できる用語解説】GDP(国内総生産)

こんにちは、みなさん!今日はニュースや社会の授業でよく聞く「GDP(国内総生産)」という言葉について、一緒に学んでみましょう。

難しそうに聞こえるかもしれませんが、わかりやすく説明するので安心してくださいね。

1. GDPって何だろう?

① GDPの基本的な意味

GDPは「Gross Domestic Product」の略で、日本語では「国内総生産」と言います。

これは、ある国で一定期間(通常は1年間)に生み出されたすべての「もの」と「サービス」の合計金額を表しています。

例えば、日本で1年間に作られた自動車、テレビ、スマートフォンなどの「もの」や、レストランでの食事、映画館での映画鑑賞、美容院でのヘアカットなどの「サービス」の価値をすべて足し合わせたものがGDPです。

② GDPが示すもの

GDPは、その国の経済の大きさや元気さを示す指標です。GDPが大きいと、その国はたくさんのものを作り、サービスを提供していることになります。

これは、国全体が活発に働いていることを意味します。

③ 他の国との比較

GDPは、国同士の経済力を比較する際にも使われます。たとえば、日本とアメリカのGDPを比較すると、どちらの国が経済的に大きいかがわかります。

2. GDPはどうやって計算するの?

① 消費(みんなが使うお金)を合計する

まず、家庭や個人が買い物やサービスに使ったお金を合計します。 

これは、食べ物、衣類、ゲーム、スマートフォンなど、日常生活での支出が含まれます。

② 投資(将来のためのお金)を含める

次に、企業が工場を建てたり、新しい機械を買ったりするために使うお金や、家庭が新しい家を建てるために使うお金を合計します。

これらは将来のための投資です。

③ 政府の支出を足す

政府が道路や学校、病院を建てたり、公務員の給与を支払ったりするために使うお金もGDPに含まれます。これは、国全体のための支出です。

④ 輸出と輸入を調整する

最後に、外国に売ったもの(輸出)から、外国から買ったもの(輸入)を引きます。輸出が多いとGDPは増え、輸入が多いとGDPは減ります。

こんな感じですね↓


3. GDPで何がわかるの?

① 経済の成長や縮小

前年と比べてGDPが増えていれば、経済が成長していると言えます。

これは、新しい仕事が増えたり、人々の収入が上がったりする可能性を示します。逆に、GDPが減っていれば、経済が縮小していることになります。

② 政策の効果を判断

政府が行った経済政策(たとえば減税や公共事業)がうまくいっているかどうかを判断するのにもGDPが使われます。


4. GDPでわからないこと

① 人々の幸せや生活の質

GDPはお金の動きを測る指標なので、人々がどれだけ幸せかや、生活の質まではわかりません。

たとえば、自然災害の復興でお金がたくさん使われるとGDPは増えますが、人々は大変な思いをしています。

② 環境への影響

経済活動が活発でも、環境が汚染されていたり、資源が枯渇していたりすると、将来に悪い影響を与えます。 

GDPだけでは、こうした問題を把握できません。

③ 貧富の差

GDPが大きくても、そのお金が一部の人にしか行き渡っていなければ、社会の不平等が生じます。 

GDPはお金の総額なので、分配状況はわかりません。


5. GDP以外の指標もあるよ

① 一人あたりGDP

GDPを国の人口で割ると、「一人あたりGDP」が出ます。 

これは、国民一人ひとりが平均してどれだけの価値を生み出しているかを示します。ただし、あくまで平均なので、個人差はわかりません。

② 幸福度指数

「国民幸福度指数(GNH)」や「人間開発指数(HDI)」など、GDP以外にも人々の生活の質や幸福度を測る指標があります。

これらは教育、健康、環境など、さまざまな要素を考慮しています。

③ エコノミック・ウェルビーイング

「経済的幸福度」という考え方もあり、収入だけでなく、余暇の時間や仕事の満足度なども含めて人々の豊かさを測ります。

6. まとめ

① GDPは経済の健康診断

GDPは、その国の経済がどれだけ活動しているかを知るための大切な数字です。経済の「体温計」のようなものと言えるでしょう。

② GDPだけでは見えないことも

しかし、GDPだけでは人々の幸せ環境の状態社会の公平性などはわかりません。だからこそ、他の指標も合わせて見ることが重要です。

③ 私たちにできること

経済や社会の仕組みを理解することで、ニュースや社会の問題について自分の意見を持つことができます。

これは、将来社会に出ていく皆さんにとって非常に大切なことです。 

ぜひ興味を持って、ニュースなどで取り上げられるGDPに注目してみてください。


きゅうさんの本棚:さらに経済学に興味をお持ちの方へ 

この記事と上記の記事もお読みいただき、さらにGDP, ひいては経済学に興味をお持ちになった方は、お近くの書店やオンラインストアでおすすめの本を手に取ってみてください。きっと理解が一層深まることでしょう。

  1. おすすめ本1:この本はその名の通り、大学時代にやる基礎的な経済学が漫画で学べます。ただ、井堀 利宏東京大学名誉教授が作成するなど、内容は大変しっかりしたものになっています。

②おすすめ本2:本書は、東京大学で20年以上にわたり『ミクロ経済学』と『マクロ経済学』を教えてきた井堀 利宏東京大学名誉教授によるもので、そのエッセンスを1冊に凝縮しています。本当に10時間で読み終えることができます。

(※本noteはアマゾンアフリエイトに参加しています)

いいなと思ったら応援しよう!