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続・他人のオールを奪ってはならない
他人のオールを奪ってはならない。
とか、かっこつけたことを言ってたやつがいるんですよ。
えー?だれだれ?(茶番)
私です。
私の夫は我が家で育児をメインで担当しつつ目下、社労士試験の合格を目指し勉強中だ。
彼が社労士を目指し始めて3年目になる。
といっても、1年目はこれまでとんと使用してこなかった脳みその「学習」部分のリハビリのためにFP試験の勉強に費やしたため社労士の勉強はほぼしていない。
2年目にいよいよ本格稼働かと思いきや、やはり育児をしつつの勉強は大変で結局彼が本腰を入れて勉強を始めたのは試験の2ヶ月ほど前からだった。
夫は俄然短期集中型で、なにかを継続的に続けることは大の苦手。
特段努力しなくてもなんでも平均以上に出来てしまってきた人間の行き着く先は器用貧乏と相場が決まっている。
彼は1ヵ月間常人の2倍近くの力を出せるタイプであるが、12か月間平均して60%の力を出し続けることが出来ない。
彼の集中が持つのは最大2ヶ月程度で、思えばFP試験3級と2級はまさに短期決戦で臨んで合格を手にしたものだった。
ところが社労士試験に関しては短期でどうこう出来る性質のものではない。
年単位の継続的学習が必要なものなのだ。
夫、危うし。
社労士を目指し始めて3年目、勉強を始めて2年目、愛息は2年後には小学校入学。
さすがに息子がピカピカの一年生になるころまでには試験に合格して父親として胸を張りたいとの思いから、夫はいよいよ勉強に全力を注ぐことを決意した。
12か月間60%の力を出し続けるのだ。
8月に受けた社労士試験で見事不合格の結果通知を受け取った10月、彼は心のたすきをきりりと締め上げ机に向かった。
「土日も休まずやることが重要なんだって(お目目キラキラ)」
そう言って、本当に休みなく60%前後の力を出し続けたね。
うん。
11月中盤あなたは呟いた。
「俺、ちょっと休もうかな」
それを聞いた私がどう感じたかお分かりだろうか。
心の中で床の上を転げまわって夫を罵ったよね。
「お目目キラキラさせておめぇ何て言ってたっけーーーー!??」
他人のオールを奪ってはならない。
あの時書いた記事が私を苦しめる。
「勉強してるの!?」「ここんとこずっと机に座ってなくない?」などという無駄なことは一切口にしなかった。
大人の首に縄を付けることは不可能だと骨身にしみて理解しているからだ。
彼が彼の意志でやると決め、やるしかないことなのだ。
脂汗流しながら一世一代のやせ我慢である。
どこかで読んだネット記事が脳内を駆けめぐる。
『東大生を育てた母は、子供に「勉強しなさい」と言わない』
(そりゃ母親が言わなくても子供が勝手に勉強してんだろうがぁぁぁ)
(そもそも知的好奇心旺盛な勉強好きな子に勉強しなさいなんていう必要ねぇんだよなぁ)
私の心の中の暴れん坊が誰が書いたか分からん真偽も不明なネット記事に毒づく毒づく。
やせ我慢しすぎて久しぶりにおでこにニキビが出来ちまったが私は耐え抜いた。(イライラからのポテチ食いの結果。因果関係が明白で素晴らしい)
ついぞ私は「勉強しなよっ!!(叫)」とは言わなかった。
はい!拍手!!
だがここだけの話、「へぇ~、今日もしないんだ?」とあえて大事な部分を抜いてチクリチクリと嫌味を言ったこと数回。
ストレートじゃない分、余計にいやらしい。
分かっていてもこの口が!私のこの悪い口からついねちっとした言葉が飛び出てしまうのだ。
他人のオールを奪ってはならない。とか恰好いいこと書いておいて結局恰好つかない私。
実際のところ、一番焦っているのは夫なのだ。
彼はさぼりたいのではない。
勉強したくないわけでもない。
勉強したいし、しなきゃいけないと思っている。
冷静に自分を取り巻く環境と状況を理解できている。それゆえに非常に大きなプレッシャーを感じている。だからこそ心が重くなり机に座ることが出来ないのだ。
そういうことまで分かっているのにね。
いっそストレートに言っていればおでこにニキビなんて作らずに済んだのかもしれない。ニキビ損だ。
一週間ほど休息した夫は少しずつ机の前に復帰し始めた。
まだまだ先は長い。
山あり谷ありを繰り返しながら私たち夫婦は格闘したり、労わり合ったりを繰り返すのだろう。
ここからは本当にやせ我慢ではなく本心なのだが、私は別に試験に受からなくたっていいと思っている。
ただ何かを継続する力、つまり心の基礎体力みたいなものを付けていってほしいのだ。
1年間継続的に努力を続けられた、ということ自体が実は人生においては社労士試験に受かるよりも大きな成果となり得るし、この成果は夫に遅かれ早かれ試験の合格をもたらすはずだ。
何かを成し遂げるには諦めのよさと共に、粘り強さが必要不可欠だ。
と、そんなことをラジオ体操すら1ヵ月続かない私が言ってみる。
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