渡辺矜持

二児の母。長女が生まれた3ヶ月後、父が急死。母がうつ病になりました。誰かに聞いて欲しい胸の内を書き綴っていこうかと思います。

渡辺矜持

二児の母。長女が生まれた3ヶ月後、父が急死。母がうつ病になりました。誰かに聞いて欲しい胸の内を書き綴っていこうかと思います。

最近の記事

「まだ結婚できない男」と結婚願望

好きだったドラマが13年ぶりに復活ということで楽しみにしていた阿部寛主演の「結婚できない男」の続編「まだ結婚できない男」 相変わらずのキャラクターで面白可笑しく見てるのだけれど ネットの記事で「結婚できない」「婚期を逃した」などの言葉が連発で辛い。とか、聞いてられない、痛い。とかいう視聴者の声があった。 13年前は、「おひとりさま」なるものが流行りだしてはいたものの、そんなに確立されていなかったように思う。きっと視聴者は阿部寛の役を変な面白い人と純粋に楽しんでいたのだろ

    • 風習と無知な姉妹

      私の実家のある地域では、「仮通夜、通夜、火葬、葬式、納骨」の順で執り行われる。 やらなきゃいけないこと、用意するもの、決めなきゃいけない事など次々私たち姉妹に投げかけられるものの 「そうなんですか?」「それって何ですか?」とずっとクエスチョンが付いて回る。 親戚や近所の方々が集まって助けてくれるも、本当に無知だった。 18歳で上京してから、何度も実家には帰省してたが、お盆や正月などの親戚が集まるような行事を悉く避けてしまっていた。それは敢えてというよりは仕事の休みを取れ

      • 深夜の旅立ち

        深夜2時、日付が変わって2010年7月24日。 震える声で父の病室に付き添っていた妹から電話が来た。 「もう危ないって今すぐ来てくれない?」 妹のすすり泣く声、血の気が引くのと同時に、私は震える手をぐっと堪えて、母と妹の旦那さんを起こして、甥っ子と娘を抱いて車に乗った。 気仙沼市立病院に着く。病院は高台の上にあり、駐車場は下にあった。私と母は病院前に降ろしてもらって、甥っ子と妹の旦那さんは下の駐車場に止めに行った。 病室に急ぐ私と母がその時なにか会話をしていたのか思

        • 2010,7,23気仙沼岩井崎

          妹の旦那さんが運転する車で深夜に気仙沼の実家に着いた。妹、旦那さん、2歳の甥っ子、私と生後2か月の娘。 深夜とはいえ、東京から気仙沼の実家までは6、7時間かかった。疲れているのでとりあえず寝て、次の日父の病院に行くことにした。 病院に行くと、父は鼻からの酸素管をつけ、もう話すことは出来なかった。「お父さん!来たよ!」と私が話しかけ、うなっているような声を出していたので 私と娘が来たことが伝わったと信じた。もう私は泣くのを必死でこらえていた。お父さんがなんでこんな姿に?と信

          私の父

          私の父は昭和12年、樺太生まれ。終戦後慌てて日本に船で逃げてきたらしい。 3隻あった船は、2隻ロシアに沈められたらしい。唯一残った船に8歳の父が乗っていた。 その後、北海道で育つ。時々父の小さい頃の話を聞いた覚えがあるが、あまり多くは語らない人なので、何か質問してそれに少し曖昧に答えてくれてたような記憶がある。 私の一番古い記憶は北海道の中標津町の幼稚園に通っていたところからだ。私が4歳の頃に妹が誕生する。妹が生まれたので、私もこの北海道で生まれたのだと思っていたし、そ

          絶望への告知

          母を追い込んでしまった原因の一つではなかろうか?と思ってしまうのが、病院側を責めたいほどの残酷な告知方法だった。 とにかく可愛くて仕方のない孫二人と、仲の良い娘二人との一ヵ月半の東京生活を終え、新たな希望を携えて気仙沼に帰宅した母。 顔色が悪く、少し痩せたようだった父に驚きながらも、そこまでの病気とは疑ってなかっただろう。 「寝てれば治る」という父を説得し、検査入院をした。そして検査結果を父と母二人で医者から聞かされた時、「肝硬変です。治療しましょう」と告げられたそうだ

          絶望への告知

          2010年4月ここから始まる。

          長女が生まれた。 妹の長男(私からみて甥っ子)2歳になった一週間後だった。 初孫である妹の子の誕生祝いと、私の出産のサポートのため母が宮城県気仙沼市から上京していた。 予定日より一週間早く娘が生まれた。東京は異常気象で4月に雪が降った。東京で4月に雪が観測されたのは40年ぶりだとか。 39週での正常分娩だったが2160グラムという小ささで、寒さもあって保育器に入ってた。 娘は、小さくて母乳を吸うのも下手だったが、熱心に指導してくれる助産師さんたちに助けられ、体重をし

          2010年4月ここから始まる。