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「人手不足だ!」と言っている会社は、慢性的人手不足になる法則#1

皆さんの会社では、こんな会話が飛び交っていませんか?

「人手不足が原因で残業が増えています」
「〇〇課の人員が増えないと仕事が回らないです」
「私が病気で倒れたら仕事が滞ります。この部署に人を増やして」
「注文が殺到して、猫の手も借りたい忙しさ。人員を増やして」

”人さえ増えれば問題は解決する”という考え方で人を採用すると、人手不足は慢性化します。

今回はイケイケどんどん急成長の会社や戦略として人を増員している会社には当てはまらない内容です。しかし、組織の急拡大を考えていない、または緩やかな成長を求めているのであればピッタリの内容だと思います。
社員たちからは「人を増やしてくれ」と言われてるけど、「人はそう簡単に増やせないよな」と悩んでいたり、人を増やしたのに、労働環境も業績も改善しなくて悩んでいる方々の参考になればと思っています。

今回は、京屋染物店が慢性的な人手不足で、超ブラック企業からホワイト企業になるために学んだことをシェアしたいと思います。

人手不足はなぜ起こる?

そもそも人手不足を感じるのは、どんな時?

  • 人を増やさなければ、期日までに仕事を完了できない。

  • 人を増やさなければ、未完成のタスクが山積みになる。

  • 人を増やさなければ、残業が多くて辛いまま。

単純に整理すると上記のような状態の時に人手不足を感じますよね。

人手不足を感じたからといって、根本原因を明らかにせずに、人を増やしても現状はほとんど改善されないというケースが結構あります。最悪の場合、人件費は増えたけど、収益は増えず、赤字になってしまう場合も。

人を増やすしても問題は解決しない

つまり、本当は人員が不足していたわけではなく、今までの仕事の仕方(業務フロー)に根本原因がある可能性が高いんです。

"人を増やさなければ!"と感じたら、その部分を"現状のままでは"に置き換えて考えてみましょう。

  • 現状のままでは、期日までに仕事を完了できない。

  • 現状のままでは、未完成のタスクが山積みになる。

  • 現状のままでは、残業が多くて辛いまま。

つまり、初めから、人手不足が原因だと決め付けないことが重要です。
仕事の流れが悪くなっているので、仕事が滞り、残業が多くなったり、納期遅延が発生したりして、社内がバタつき、仕事のシワ寄せが発生し、最終的に誰かが抱え込み、疲弊し、人手不足を感じているのです。

根本原因を見つけるために、まずは現在の好ましくない状態を客観的に把握する必要があります。どうして納期遅延や未完成のタスクが山積みになるのか洗い出すことから始めます。

因果関係を明らかにする

今の好ましくない状態になっているのには必ず原因があります。
ここでは、風邪を例にお伝えします。

以下は風邪の症状です

熱が出る、寒気がする、咳が出る、背中が痛い
好ましくない状態が表面化されてきます。
このような症状をそれぞれに見た場合、個別に対処してしまいます。

  • 熱が出ているなら解熱剤を飲む

  • 寒気がするなら厚着をして暖まる

  • 咳が出るなら咳止め薬を飲む

  • 背中が痛いならマッサージをする

原状回復のために考えられる手を尽くしています。症状は一時的に改善したとしても、根本原因が改善されていないので、また同じ症状が現れます。
一向に良くなる気配がないわけです。

では、以下の図の場合はどうでしょうか。

どこから矢印が伸びているかというと"肺炎"です。
そして因果関係が明らかになっています。

  • 肺炎が原因で、防衛機能が働いて、熱が出る

  • 肺炎が原因で、肺が傷ついて、咳が出る

というように、結びつきを見える化して、一つの根本原因に辿り着いています。

こうなれば、打つ手は一つ。
肺炎の治療です。

根本原因である肺炎が治れば、表面化された好ましくない症状も消えてなくなりますよね。

今回は風邪の症状でお伝えしましたが、会社の場合は

  • 残業が多い

  • 納期遅れが多い

  • スタッフが疲弊している

などの症状が出ます。その時に因果関係を明らかにせず、いきなり「人手不足が原因です」と決めつけてはいけないことがお分かりいただけたでしょうか。人を増やすことが効果的な問題解決にならない場合もあるのです。

次回は、中小零細企業に勤めている社員の方々が、なぜ慢性的な人手不足を感じてしまうのか、京屋染物店の事例を元にお伝えします。


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