詩:夜の闇

夜の闇にまぎれて声が聞こえる。
か細い猫の鳴き声。
ぴゅうぴゅう吹く風に声はかき消される。
僕は部屋の中でただじっと、見守るしかできない。

オレンジ色の光は外に届いているか。
君の目からはこの光が見えているか。
またか細い鳴き声が聞こえる。
がさがさ鳴る音。
猫の姿は一度も僕に見えない。
夜にまぎれて声だけが聞こえる。

やがて、声も聞こえなくなる。
ぴゅうぴゅう鳴る風の音だけが聞こえる。
君は一体どこへ行ったのか。
僕は部屋の中から、ただじっと闇に目を凝らした。

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京和みかん
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