きょうちゃんのお話し『第三章』
○○グループのバースデーってほんとにすごいんだわ。
リムジン数台貸し切って、そのままヘリ乗るところまで行って、ヘリ乗って、そのあとリムジン乗って飲みに行って、プレゼント渡して、そのまま朝までとか昼頃までずーっと飲みっ放し。
そんなバースデーに初参加の僕。
急な展開が多すぎて、まともに会長に挨拶ができたのは深夜1時くらい。
恐る恐るシャンパンをお酌しに行くと・・・
見た目に反してめっちゃ良い人~!☆
会長の名前は佐山さんである。
元々IT系の会社に勤務していて、3年で独立。
それで今の○○グループを作ったとの事。
そう。佐山会長はヤ〇ザではなかったのである。
本当に和柄が好きで和彫りを入れてしまったという、
ちょっぴりお茶目な人だったのだ。(お茶目じゃないけどね。)
佐山会長と僕は1時間~2時間くらい話しをして、お互いに趣味も一緒だった。
僕は十代のころ、音楽をやっていて、佐山会長も音楽が好きだという。
好きなジャンルも全く一緒だったので、距離が縮まるのは本当に早かった。
森友さんも佐山会長に、
こいつ今一番勢いがあるんですよ!と言ってくれていたみたいで印象も良かったのだろう。
とりあえず、僕はヤ〇ザのフロント企業じゃなくてよかったと一安心した。(これマジでね。)
バースデー以降、佐山会長はオフィスに来ると気軽に話しをかけてくれるようになった。
佐山会長は人見知りという事もあり、オフィスに来ても
森友さんか僕にしか話しをかけません。
この時、オフィスにいた部長や社員は僕に対して殺意が芽生えたでしょう。
僕からしたら完全なとばっちりです。
それから1カ月後くらいには週に3日~5日くらい
佐山会長の運転手をする事になりました。
運転手というとすごく大変なイメージがありますよね?
そう。大変です。地獄でした。
何が大変かって、行き先を聞いてナビを入れ
目的地に向かっている最中に、
やっぱり○○に行ってほしい!ごめん!〇時〇分までに到着しないとダメだから急いでね!
なんでやねーーーーん
という心境です。
まぁ、でもこれが運転手という仕事なんだな。
と、脳みそと心に言い聞かせながら日々を過ごしている間に
都内の地理がある程度、頭に入ってくるようになりました。(今はほとんど忘れてるけどね。)
地理が頭に入ればこっちのもん!
楽で最高な毎日が始まりました。
これほとんど仕事してないやんけー!
たまにクロムハーツとか行って色々買ってくれたりもするんです。
僕にとってはお兄ちゃんみたいな感覚に近い存在になりました。
いつからか、僕は佐山会長の事を佐山さんと呼べるような間柄になり、自宅にも遊びに行ったり、ほぼ毎日飲みに誘ってもらい六本木や麻布に繰り出していました。
入社から5か月頃が経ったある日。
佐山さんから一本の電話が。
いつものようにもしもーし!と出ると
『今日ちょっと時間ある?話したい事があるんだよね。』
えっ。
俺何かしちゃった?
ヤバイ系?
調子に乗り過ぎてた?
何故か色々と勘ぐっている僕がいましたが、もちろん断る事はできません。
『はい!お時間指定して頂ければいつでも伺います!』
今でも覚えています。
その日の20時に麻布のお店に呼ばれました。
夕方ごろ、森友さんに
佐山さんに呼ばれているので今日は上がります!
と、予定時刻の3時間前くらいに早退し、
20時待ち合わせのところ、謎に18時頃に店に到着し、色々と考えていました。
まさか・・・
クビになるんじゃ。。。
20時を過ぎたくらいの時、
いつもの黒塗りS550ベンツさんの登場です。
佐山さんのベンツです。
第4章に続く
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