ある日突然行けなくなった、惣菜店のバイトのこと。
コンビニの次に長かったのが、惣菜店でのアルバイトだった。
駅前の小さな惣菜店。
量り売りのお惣菜がメインで、揚げ物やお弁当、果物なんかも置いていた。
時折本社から来る社員と、チーフのほか、厨房で働くのは、パートタイムの主婦たちだった。わたしは主に、店頭での作業(商品管理や値付け等)接客、レジ打ちを担当した。接客が暇な時間には、惣菜作りを手伝ったり、揚げ物を揚げたりもした。掃除や片付け、洗い物などの雑務もあった。
閉店時間までの勤務で。チーフが不在の時には、さいごにレジを締めて、お金を店の金庫や、銀行の夜間金庫に入れる仕事も任された。(大金を預かって、銀行に向かうのはいつもドキドキだった。)
接客・レジ打ちはコンビニで慣れていたので、仕事を覚えるのは早かった…と思う。(^^;
そのうち、新しく入ったパートさんの指導を頼まれるようになった。親子かそれ以上、歳の離れた年長のパートさんに教えるのは、それなりに気を使うことが多かった。厨房にはベテランのパートさんがたくさんいるのに、何故、若手アルバイトのワタシなんかに指導させるのだろう?と、当時は不思議に思っていたけれど。
今ならなんとなくわかる気がする。
厨房はいつもパートのおばさんたちの噂話でもちきりだった。いつも誰かが誰かの悪口や文句を言っていて、聞いていると人間不信に陥りそうになるほどだった。
ひとりだけ年の離れたわたしは、その中に巻き込まれることはなかったのは幸いだったけど。
たぶんチーフも人間関係がドロドロの同世代のパートさん同士よりも、子どものような年齢の若いアルバイトに教えさせるほうが、無難だと思ったのだろう。
(値付けやレジ打ち等、機械操作だけは早かったしね。)
パートさんたちの人間関係に気を使うことはあったものの、仕事自体は楽しかった。
いろいろなお惣菜が出来るのを見るのは、わくわくした。味付けは専用調味料を使うものが多く、揚げ物も業務用フライヤーを使うので、温度管理が楽で、わたしでも失敗せずに調理ができた。何だか料理が上手くなったような気分になれるので嬉しかった。(料理の上達に関していえば、錯覚だったみたいだけど。)
残りものを安く買えたり、時には貰えることもあって、食べるものに困らなくてすむのも、有り難かった。
はじめは週3〜4日出勤だったのが、だんだん休み辛くなり、気がつけば、週5〜6日になることも増えた。
適当に手を抜いたり、上手く休む方法を知らなかったから、だいぶ疲れていたように思う。
仕事以外のいろいろな出来事や事件もあり、精神的に不安定だったある日。
からだが動かなくなって。
仕事に行けなくなって。
バイトを辞めることになった。
不登校の時と同じじゃないか。
わたしはアルバイトもまともにできないのかと。めちゃくちゃ落ち込んだ。
仕事自体が出来なかったわけでも、嫌だったわけでも無かったから、なおさらショックだった。
そしてしばらくひきこもっていた。