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【私小説46】ウイルス

私は小学校の6年間で何度か高熱を出して長く学校を休む事があった。そのうちの1回はまだ低学年の頃、扁桃炎をコジラセタ時なのだが、強く記憶に残っているのは6年生の修学旅行後の事だ。大嫌いな修学旅行、しかも3泊。小学校生活最後の修学旅行、私達は新幹線に乗って長野へ向かった。夜、私は小さく電気をつけて寝たいのだが、誰かさんの
「私真っ暗じゃないと眠れないから」
の一言で終了した(こういうやつ何なの)ただこの時はそれを上回る問題があった。スキーの練習中にレスキュー隊が出動するレベルの吹雪に見舞われ、もう二度とスキーなんてしないと仏に誓い、学年全員命からがら千葉に帰った後、その何割かがインフルエンザの宿主となりクラスが学級閉鎖に追い込まれた。いつだってマイノリティーとして生きている私も、その時ばかりは流行りにのってインフルエンザに感染、発症。ただやっぱり皆と足並みが揃わない。学級閉鎖が解かれ授業が再開されても尚、私の体温は40度をキープ、最高で42度を記録し、結局45日程度学校を休む事となった。
まあ健康だから熱が出せるのよね。
修学旅行後に40日以上休んだわけだから、学校に復帰した時には卒業式は目前だった。
ただ問題はそこじゃない。

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