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「かなわね」を手にしてくださるお母さんへ。

この度は、この絵本「かなわね」を手に取ってくださり、本当にありがとうございます。

・・・もしも今の私がニコニコしながら、その当時の苦悩に満ち溢れているさなかの私にこの「かなわね」を見せたら、どんな風に思うでしょうか。

当時の私は、漢字が書けない、読めない、授業中はぼーっとしてしまい先生の指示が入っていかない、そんなわが子を目の前に、この先この子はどうなるんだろう・・・そんな暗澹たる気持ちの中にいました。

たくさん、たくさん、ありとあらゆる、絶対にこの子はこの先こうなっちゃうな↓↓↓という、そんな証拠をたくさん集めていました。

だから今の私を見たら、きっとあの当時の私はたぶん拗ねるでしょうね。怒るでしょうね。そして、なんで私はこのお母さんのように我が子を分かってあげられないんだろうなって最後には自分を責めると思うのです。

にこにこ笑っている今の私に向かって、きっと「はぁ?何言っちゃってるの?この状況見てよ?こんなことになってるじゃん。理解しろだって?何を?もう十分わかっているのに、どうにもならないんだよ!これ以上どうしろっていうのよ?いいよね。周りのご家庭にはこんな悩みなんてなかっただろうしね。いいよね、いいよねー!!!・・・なんてね。

どんなに大丈夫だよ!ってその道を歩いてきた今の私がそう言ったとしても。
きっとあの日の私はそんな言葉を素直に受け止められなかったと思います。
本当に苦しかったし、なんで、どうしてが渦巻いていたし。
これ以上何を見てどうすればいいんだろう・・・そう思っていた気がします。

じゃ、今の私がそんな当時の私を見たら・・・多分、泣くと思います。

その時の辛さやら、自分の親としての不甲斐なさやら、我が子を分かってあげられなかった、なんで、どうして・・・と、一見我が子に向けていた言葉のようで、それはすべて自分に向けていた言葉だったなぁとリアルに痛いほどに思い出すからです。

だからなおさら、にっこり笑いながらこう言うと思います。

・・・いやぁ、それは本当につらくてしんどいよねぇ。
でもありがとうね。本当にありがとう!たくさんがんばっているよね。
すごいよ。まさかあの私がそこまで頑張れるなんて思ってなかったよ。でも、頑張ってるんだよ。私のそんな日々があったからこそ、私は今にこにこ笑いながらこの絵本を、その時の私を全てひっくるめてありがとうって気持ちで渡すよ。

すべてはそうするしかなかった。そう言うしかなかった。そうせざるを得なかった。

そこに親としての私の理解があろうとなかろうと。

そうすることでしか前に進めなかったのだから。

すべてすべて、それでよかったんだよ。

ちゃんと一つ一つ一生懸命悩みながらも、これしかないと思いながらも、実はちゃんとどうしたらいいんだろう。そんなことをきちんと考えに考えて選択していたことだから。

あのときこれを選ばなかったら・・・たとえそう思ったとしても、あの時はめちゃくちゃ悩んで、これでいい?これでいいんだよね!ってそこにはいろんな葛藤や思いや決意を秘めて選択していたはずだったと。

まさか自分がそれを選択することでこんなに苦しむなんてこと絶対に考えていなかったはずなのだから。

だから今の私は、もうそれ以上は何も言わずに、怒って、拗ねて、自分を責めているそんな当時の私を抱きしめていると思うのです。

本当に子育てにはいろんなことがあります。だけどそれだけ真摯に向き合っているお母さんたちが私は今とてもいとおしいと思うのです。

私自身、こんなにも自分の人生の中で自分以上に苦悩、葛藤した経験なんてなかったから。

それはそれは深くて大きな愛で溢れていたものだったんだと、今ならわかるの。
今だからわかるのよ。

その当時、そんなことがわかっていたとしたら・・・それはそれでまた今違う人生を見ているのかもしれない。

でも、今の私はそれをつまらないと思ってしまうでしょう。

あーやってこーやって。

うわぁぁぁ。

なんで。どうして。

そう悩み葛藤できること。

それは自分の人生を生きるための大事なストーリーだったから。

会社なんて起こしてなかったと思う。

それくらい世界がまるきり違うってことを意味するの。

あーよかった。
葛藤してくれてありがとう!

ただただ今、それを伝えるよ。


ふと出てきた数年前に書いていた私のお手紙。
そこにちょっと加筆してあげてみました。

こちらにもそんなことが書いてあります。
よかったら読んでみてくださいね。

来年はそんな一生懸命今を頑張っているお母さんにたくさん会えたら嬉しいな。
よろしくお願いいたします。

絵本、置かせていただきます。

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一般社団法人 ミラクルギフト
代表理事 大橋美穂

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