皆伐地の広葉樹林化を考える🌳
7月2日、3日
いわて森林づくりコーディネーター研修
人工林の広葉樹林化について、そのための知識、技能について学びました。
・高木性、低木性樹種を見分ける知識、実生稚樹を判別できることが必要。
・樹木を生き物として、森林をその集団として見て考える。
(種子があるか、光があるか、耐陰性か、成長速度の違いなど)
・結果の予測、想像力。将来の姿を具体的にイメージできること。希望的観測ではダメ。
以上をふまえて、目標林型を決定していくために参考とする、様々なツールの用い方について学びました。
このツールは、
「広葉樹林化技術の実践」
とネットで検索すると出てくるので、一般でも利用することができます。
このツールを用いて、
□地域に生えている広葉樹の種類
□指定地域で30〜50%の間伐後、5〜10年で小中個体の広葉樹がどのくらいの密度に変化していくかを予測
□シカ、ツキノワグマによる剥皮被害リスク
(google Earthと連動)
□間伐後の光環境予測(杉、ヒノキ、カラマツ林が対象)
以上のことを判断基準とし、目標林型を決定していきます。
次に、実際の現場作業について手法を学びました。
□斬伐作業 (間伐の繰り返し)で林床に稚樹を発芽、定着させる。
□種子発芽・定着の促進のため、中度の間伐。
□下層植生の刈払、地表のかき起こし
ただし急傾斜地では表土流亡のおそれがある為、地表かき起こしは避ける。
□ササ類、ウラジロ・コシダの除去は必須。
競合植生の除去。
広葉樹林化について学んだのち、
実際にカラマツの皆伐跡地へ現地調査へ向かいました。
皆伐後1年が経過した、林相です。
約4反歩の広さです。
私の想像を反して、現地には雑草に紛れて
たくさんの稚樹が芽を出していました。
すごい!
現地で調査したことを持ち帰り、班ごとに30年〜50年、また将来に向けてどう広葉樹林化していくか、について話し合いました。
ここで、初日のファシリテーション研修が活かされました。
私達の班は、
子どもが楽しめる森を作ろう
を目標林型に設定し、
採取する楽しみがある森にしよう、ということで、
クリ、ヤマブドウ、ツノハシバミ(ヘーゼルナッツ)、
クヌギ、コナラ(カブトムシ、クワガタ)、
キイチゴなどを植栽することになりました。
そして、班毎のプレゼンテーションを行い、
参加者全員でシェアしました。
他の班はもともとの植生を保護し育成してゆくという意見もありました。
計3日間の研修を終え、なにか自分の中のスイッチが入ったような、そんな感覚を受けています。
岩手県森林組合連合会の皆様
正木隆講師
研修生の皆様
ありがとうございました。