釜石 自伐型林業経営研修🌲
12月8、9日
釜石市根浜地区にて、
東北広域森林マネジメント機構
代表 三木真冴先生による、
自伐型林業経営研修に参加しました。
今回は、実際に三木さんが年間を通して施業されている山を視察し、現場での作業道作り、集材の方法について詳しく学ばせていただきました。
まさに現在進行形の現場を見させていただく、とても貴重な機会でした。
土を運ぶために使用。
クローラーダンプをレンタルすることなく、手持ちのバックホウとフォワーダーで土を運搬することができます。
路肩を守るために、路肩付近の立木はできるだけ残します。
ブームのスイングを活用しながら、慎重に路肩を作る練習を行いました。
角度はおよそ38°、安息角と呼ばれる、
土がこぼれ落ちることなく、安定する角度です。
角度が浅いと、より緑化は進みやすいが、土量も多くなってしまいます。
石混じりの土なら多少角度が急になっても大丈夫ですが、砂地だとゆるやかにしなくては落ち着きません。
土質の見極めも大事です。
二日目は、現在の施業地に隣接する、
次期施業を行う山の視察を行いました。
ほぼ未間伐の山林、本数が多く、木の状態も良く、2割の間伐で収益が見込める状態です。
三木さんは、
よく、「自伐型林業で生計を建てれますか?」と訊かれることが多いそうですが、山、立木の状態と、材を土場まで搬出するまでの距離によって大きく左右されるため、
全てに はい、とは答えられない、と話されます。
確かに、ヒョロヒョロの木ばかりの山では材価は上がらないですし、
すでに間伐が行われた後の山では、
あまり材を出すことができません(伐りすぎてしまい、山の環境にも作業道にも良くないため)。
そして、地形に岩や崩落地が多ければ作業道作りにコストがかかりすぎてしまい、採算がとれなくなります。
収益性には、技術・機材以上に
山林の状態の影響が大きく、
整備依頼を受けた際には事前に調査、検討を行なう必要があるとのお話しでした。
自伐型林業で苦労されている方は、十分な検討をしていない人が多いように見受けられるそうです。
委託契約後のトラブルにも繋がりかねないため、
事前の調査がとても重要であることを学びました。
そして、現在三木さんが材の搬出に活用されている、3トンフォワーダーと
イージークロウと呼ばれる、
カスタムでバックホウのアームに溶接して着ける爪 を使っての積み込み作業を体験しました。
グラップルと呼ばれる、油圧で丸太を掴む重機が一般的ですが、値段が高いこと、そして油圧の配線を痛めやすいことから、
この脱着可能なイージークロウが便利ということでした。
午後からは、自伐型林業経営にまつわる、山主さんとの契約の仕方や、
山主さんとのコンタクト方法、
活用できる補助金、
現在の材価、そして年間事業計画の立て方等のお話を、
三木さんの実績をもとに事細かにご教授いただきました。
中でも、
一利を追うよりも一害を取り除く。(コストを減らす)という観点、
そして
現在の林業での、
皆伐後の再造林費用は100%国の補助金で賄われている、ということから、
自伐型林業では
将来補助金を使わなくするための補助金です、
というお話が特に印象的でした。
実際に同じ岩手県で、
自伐型林業で活躍されている
先駆者三木先生の現実的なお話は、
今後の道しるべとなる、とても貴重な内容でした。
ありがとうございました。🌲