父と妹とあつもりと|2020.7.28 日記

四連休で動けない四日を過ごしたら、そのままガクンと落ちてしまった。

GO TOもなにもないなあ。まあ、もともと除外されてるんですけどね。


そんな四連休ののち、バッチリおめめは覚めるのに身体がソファから一歩も動かない月曜日を経て、本日も同様。流石にこのままではいかんと思って今日は夕方から散歩に出かけた。

あてもなく歩いているうちに、ただ歩いてきた商店街を何もせずに折り返して、蒸し暑さでダウンしてお馴染みの喫茶店に行った。

このご時世、この条例をかいくぐり、全面喫煙可という絶滅危惧種の喫茶店。マスターは全然喋らないし声も小さい憎めない系おじさま。居眠りしているおじいちゃんがいても、必ずマロンケーキとアイスコーヒーを頼んで仕事をする青年も、私みたいに死んだ顔してる廃人も、全部まるっと受け入れてくれるところが好き。

仕事に行くときのプレイリストを聞いて、少しでも平日の身体を取り戻そうとする。それでも絶望感がむくむくと湧き上がってきて、飲み終えたアイスカフェオレの氷が溶けるのをただ眺めてた。

身体もいい感じに冷えたから帰ろうと店を出るも、家に帰るのも嫌になり、ここ数日湧いては消えた希死念慮が大きくなり、まだ17時前だというのに居ても立っても居られなくて妹に電話した。出ない。そりゃそうか。

なんとなく実家の猫に会いたくなって、徒歩10分の実家までいく。その途中でやっぱり自分を消してしまいそうで、父に電話をした。出ない。父のいる国はまだ14時すぎだ。仕事の真っ最中だろう。

とりあえず猫、猫。と思って実家に帰った。

モフモフの塊が、匂いで私を認識してくれて、前と変わらずに自由気ままに撫でさせてくれたりくれなかったりすることにホッとする。

父から折り返しの電話がきた。

父を自分から頼ろうと思ったことなんて人生で数えるくらいしかないが、声を聞いたら涙が止まらなかった。「まだ仕事中だよ(笑)」と笑って電話をかけ直してくれたことが心底ありがたかった。

父が海外に赴任して十数年。私から事務連絡以外で電話をしたのなんて初めてかもしれない。「死ぬことしか考えることができなかった」と、言うはずじゃなかった心の内までぶちまけてしまった。なんだかそれくらい安心した。

父が子からこんなことを急に仕事中に言われるなんてエライ迷惑極まりないだろうけど「大丈夫よ〜」「なんだって〇〇から電話来たらパパ嬉しいんだからさ〜」と明るく語りかけてくれた。

「こればっかりは、人から言われてどうこうなるもんじゃないからね。自分を変えられるのは自分しかいないから。でも、自分の気持ちで世界はいくらでも変わるんだよ〜。」

作り物の慰めじゃなく、ちゃんとそう言って返してくれた父。誤魔化しでもいっときの慰めでもなく、父が人生の中で得たことなんだろうなと思って、ちゃんと心に届いた。

鼻水だらだらにして10分くらい喋ったら、なんだか気持ちは落ち着いていた。また猫を撫でた。


家に帰ってのんびりしていたら、仕事を終えた妹から折り返しの電話がきた。「あんな時間に電話してきたから今日も休んだんだろうなと思った〜(笑)」といつもの調子で話す妹に心が軽くなる。

結局、「なんか鼻声じゃない?泣いちゃったの?」というエスパーの如く鋭い妹は、仕事終わりに家に寄ってくれて、たわいもない話をして帰っていった。

昨日、久しぶりに料理しようと思って煮たカブを、結局食べる気にならずに一口も手をつけなかったやつを、お土産に持って帰ってくれた。

帰った妹から「カブ、おいしかった〜」とラインが来ていて、作って良かったと思った。


家族にも、助けを求めていいんだなあ。しんどかったし、迷惑もかけたけど、人にSOSを出せたことは、自分勝手ながらよかった。迷惑かけてごめんね。それと本当にありがとう。


不眠気味で、最近はじめた「あつもり」とやらをせっせとやった。眠くならない。雑草を倍の価格で買い取ってくれる謎の動物が増えてた。ありがてえ。噂には聞いていたけど、借金を返すゲームなんだなこれは。

今の私には、魚を釣ったり、雑草を抜いたり、海をチャプチャプ泳いだり、無心で生活できる仮想の無人島は結構あっている。「あつもり(笑)それ、あったかいまま提供されるつけ麺ですやん(笑)」と嘲笑い食わず嫌いしていた過去の私よ、いいぞ、あつもりは。


雨と湿気と、寒くなったり暑くなったり、お日様が出てこない薄暗い世界の中で、さらに小さなこの家で、うつとうつが暮らすのはなかなかハードな気がする。人との接点も限られてしまうから、お互いに上手に外と繋がれるといいね。

はやく晴れないかなあ。

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