2/16 リセット

今日は雨。昨日死ぬように寝ることしかしなかったせいか、調子が良いからか、早く目が覚めた。テレビをつけたらまだ字幕がオンになったまま。先週大河を見るときに字幕をつけてみてから、バラエティー番組の何気ない一言すらも文字で飛び込んでくる面白さに虜になりそのままにしている。みんな、別に普段から大層なことを言っているわけではないんだな、と気づく。言葉ってさりげないんだな、と思った。いい意味で。


「自分を自分で認められない」ことを認めてからというものの、急に肩の力が抜けて、今までの重い鎖はほとんど私が自分で巻きつけたものだったことに気づいた。この感覚を味わった私は一旦終止符を打ったかのようにゼロになって、あんなに頭の中を支配していた言葉が消えた。今までの私は形にならないイロイロで頭がパンパンになっていたんだなと思った。


あまりに空白ができたものだから、本でも読もうかという気になった。久しい感覚。丁度、上司が「私のために」と見繕ってプレゼントしてくれた二冊の本があることを思い出したけど、会社のロッカーに忘れてきた。しまった。内容は見ていないけれど、上司が「頑張っているから、少し休んで」といって選んでくれた本だから、大事に読もうと思う。月曜日、忘れずに持ち帰ろう。

あまりに空白ができたものだから、朝から湯船をいっぱいにしてお風呂に浸かった。脳みそまで溶けた。ゼロの頭でお風呂に浸かったら本当に無になった。もともと風呂やサウナや岩盤浴は大好きで、ダメダメになるまえは珈琲屋と同じくらい銭湯に行っていたことを思い出した。お風呂は根本的に「無」であるから、無尽蔵に頭が回転している時に入ると、寧ろ「わー!」となるので避けていた。小さい時、私の父も風呂場から謎の奇声をあげるタイプで怖かったけれど、大人になった今は気持ちがよくわかる。


思ったより長湯してしまって、身体を冷ますためにベランダで煙草を吸った。雨で冷たい外気がサウナの後の水風呂みたいだった。私のアパートは幹線道路の真横にびっしり並んだ建物群のひとつなのだけれど、ベランダに出ると前のアパートと両隣のアパートに切り取られて空が四角く見える。私はここから見える空が結構好きだ。幹線道路を絶えず走る車の音も好き。

四角い空に煙草の煙がゆらゆらと登っていくのを見ていたら、ちゃんとお腹が空いてきた。ちゃんとお腹が空くって、いいことだなあ。

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