日曜日|2020.4.12 日記

急に気づいてしまったが、めっきり調子が悪い。正確にいうと、調子が悪い気はしていたが、直視したらもっと悪くなる気がして、そうではないと振舞っていた。

涙が込み上げる直前の胸の圧迫感が延々と続き、わあ泣いてしまいそうと思ったまま結膜は乾ききっている。泣くにも元気がいる。

イチゴを潰してヨーグルトに入れてみても、なんの感動もなく、美味しいかどうかも分からない。むしろ、スプーンを口に運ぶことすら億劫だ。

チョコレートを食べてみれば気持ちがまぎれるかと思ってひとかじりしてみても、口が糖分でベタつくだけで虚しい。

煙草を吸う元気もない。そもそも身体を直立させておくことが至難の業。そのうえ吸って灰を落とすのか。この嗜好品にすら辿り着けない。

彼が語りかける何気ない一言にさえ、怒りと絶望に似た感情が沸き起こる。なんで怒りなのかは分からないけど、ハイかイイエと答えることすら、そんな気力ないんですけどという苦しさに変換される。大好きな声でさえ、騒音のように感じる。思いっきり顔をしかめて耳を塞ぎたくなる。しないけど。

ちょうど彼は友人という別のベクトルを見つけて電話を楽しんでいるので、ひとり寝室に来て布団にくるまってみる。

ぼーっとしているとなんだか訳の分からないものが次々に頭をちらついて心臓に悪い。ただただ今をこうして言葉にすることで安寧を保つ。

こういう時、わーんと大泣きできて仕舞えばいいのにと思う。泣けば只事ではないことが、伝わるだろう。言葉がなくても。言葉で組み立てられるほどの理由なんて持ってないのだ。理由がないから困ってる。

苦しさをこうして文字に起こしていくと、すこしだけ息が吸える。誰かがひっそり見てくれるかもしれないという事実もまた私を救う。法を犯さぬ露出狂をどうか許してほしい。


さっきから、近くの高速道路を走る車の音だけはなぜか心が安らぐ。もともとこの音が好きだったかもしれない。オレンジ色の電灯と、ヘッドライト以外は闇の、夜の高速道路に想いを馳せる。

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