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三郎 丸
2021年1月2日 00:16
暗い橋の下に、いつも河童がいた。他府県から流れてくる支流が合流して、海へと流れていく大きな大きな河。いくつもの鉄橋が横たわり、時には鉄道を、ときには自動車を、右へ左へと流していく。その橋の下。葦やススキが鬱蒼と生い茂り、年がら年中乾くことのないケチな湿地。河童は、迷い込んでくるウミネコや百合鴎を日がな一日見つめていたり、天気のいい日にはコンクリートの堤防に物を干している時もあっ