水商売はなぜ日本文化なのか
最近ホストクラブの会社と仕事する機会があった。
あれ、ホストって外国にもいるんだっけ?
ちょうど大手ホストグループの会長との顔合わせがあったので、その方に聞いてみたところ、ホストクラブというのは日本発祥のビジネスであるとのことだった。
ホストクラブでもキャバクラでも、いわゆる「接待」というものは日本独自の文化らしい。
性的欲求を直接満たせるわけでもわけでもないのに、ただ話すためだけに高いお金を払うというのは珍しい文化なのだという。
つまり水商売とは『おもてなし文化』なのだ。
カラオケが日本発祥であると知った時は驚いたが、これとホストクラブが日本発祥であるというのは何か近い要素を感じる。
我々日本人の国民性とは、シャイで奥ゆかしく謙遜であるという言葉で形容されがちだ。
はたしてそれは本当だろうか…?
小さな部屋に集まって友達と大声で歌って楽しむという文化をつくりだしたのは、プロムなどのパーティが一般化されてるわけでもない、元来おとなしく控えめな国民性であるはずの我が国である。
我々は隠れた欲求をどこかで発散したいのではないだろうか。大々的に発散することがなんとなく憚られる我が国では、それらがひそかな形でビジネス展開されやすいのかもしれない。
私は学生の頃、外国人向けの日本語教育が専攻だったために日本語学習中の留学生たちと話す機会が多かったのだが、ある日彼らが日本語を勉強したいと思ったきっかけに意外なものがあることを知った。
日本のAVである。
アニメや音楽から日本に関心を持つ外国人は確かに多いのだが、「AVを日本語で見たい!」という好奇心から日本語を勉強し始める人が決して少ない割合ではないということを知った時はかなりの衝撃を受けた。
彼らが教えてくれたのは、ことアジア圏ではどの国よりも日本のAVほどクオリティの高い作品は存在しないということである。セクシー俳優は人によっては日本国内より海外で知名度を持ち、有名になれば海外でこそ活躍する職業なのだ。
古来より日本では遊郭という文化が存在する。日本における水商売の根幹とも言えるそれらには儚くも「美しい」というイメージを少なからず持っているのではないだろうか。
話が大きく逸れてしまったが、
日本における水商売とは「おもてなし」「心遣い」「美しさ」を伴い、日本人らしい繊細で丁寧な国民性が見え隠れする文化なのだろう。