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PSYCHO-PASS 究極のスマートシティのかたち3 ~八王子自立機公司から見る製造業

PSYCHO-PASSの世界において、シビュラが確立したことで行政の省庁統廃合が行われたことは既に触れた。

▼参考記事:PSYCHO-PASS 究極のスマートシティのかたち1~シビュラシステム誕生と確立

その中で統廃合後の省庁は、13省庁6公司となり話の中でも具体的な名前が挙がっている。この6公司だが、中国でいう「会社」を意味する単語だ。民間企業が国によって国営化されたという世界観からも、国営の企業という立ち位置だと推測できる。(アニメ中では、この八王子自立機公司は経済省管轄といわれている)

さて、この国営の企業はアニメ中では3社具体的に名前があがっていたが、中でも製造業が1つあったので今回はこれについてとりあげたい。

八王子自立機公司の工場ライン

自立機=ドローンのことを指し占めす。ただ、ドローンといっても、思い描く空を飛ぶものではなく、地上を歩くロボットのようなものである。このシビュラシステムの目を光らせるためのドローンは、どのように生産されているのか、実際にアニメ中に工場内を見学するシーンがあったのでそれをもとにしたい。

この八王子自立公司に限らず、多くのなにかしらの生産ラインは完全自動化されていることがアニメ中の発言からも推測できる。ハイパーオーツの巨大倉庫についても完全自動化とのことなので、この時代における人口減少はかなり進んでいるのかもしれない。そのうえで、この八王子の工場では完全自動化されている部分と唯一人が手を動かす部分が存在している。その部分がドローンの最終テスト工程である。

ここでは人は基本的に動かず、ドローンへシステム接続しテストを行っているように見えた。ドローンが完全自動化ラインからテスト工程ラインまで運ばれてくるのだが、そこで使用されいるのがまさにベッコフのXPlanarそのものだったので紹介したい。

参考リンク:ベッコフの空飛ぶじゅうたんと、競争領域と協調領域を明確にする戦略 -Hannover Messe 2019レポート5

なお、各ラインはこのような装置で縦横無尽に運ばれていく。どのラインにどのタイミングで運ぶべきか、というところも完全に自動化されているのだろう。(この動画を見た時、どこかで見た覚えがあるなといろんなアニメを見ていたら、まさにPSYCHO-PASSで再会したので紹介したかった)

また、人間は実際にドローンに触れることはない。ドローンに触れるのはすべてロボットアームに限られている。アームは驚くほど非常にスムーズに動くため、人がここで行う作業は、タッチパネルによるドローンのシステム検査のみのように見てとれた。

八王子自立機公司の工場内セキュリティ

また、工場内のセキュリティについては2112年においても非常にシンプルなものである。

「ネットに接続できないので、娯楽の手段も限られていますし」
「オフラインなんですか?ここ」
「回線そのものが設置されていませんし、この建物自体が電波暗室になっています。なので、外部の通信網にアクセスする手段は一切ありません。ハッキング対策としては、最も効率の高い保安体制です」

ネットワークエンジニアなら、2112年でもこのセリフを聞くことになるとは……と思った人がいたかもしれない。しかし、結局のところ100年近く経っても「物理的な遮断」は最も効率のよいセキュリティ対策らしい。

しかし、この工場内において外部ハッキングの疑いはないにしても、内部による勤務時間外システムアクセスを管理側があえて、見過ごしていることがこの事件内では明らかになった。

結局のところ、人間が監視している部分、人の脆さがこのアニメでは描かれていて、この対照的な存在に面白みがあるのだと感じる。全自動化されたとしても、人が関わる部分における不完全さを排除することは難しい。

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